金. 4月 17th, 2026

R4年度 行政書士試験 本試験問題演習②

記述抜き154~166点(登載なし3問)
記述式48~52点
合計202~218/300点

5肢択一
基礎法学2/2(100%)
憲法3/5(60%)
行政法14/19(73.7%)
民法6/9(55.6%)
商法・会社法1/5(20%)
基礎知識8/11(72.7%)

多肢選択
憲法3/4 (75%)
行政法6/8 (75%)

【所感】
だいぶ良い感じに仕上がってきた。行政法であと2問取れるように、最後まで詰めていきたい。

7時間勉強だと、土曜日は15:00前に終われた。9時間の場合、休憩が長くなり、17:00時点で残り3時間だったして、かなりしんどかった。7時間と9時間の差は2時間なのだが、体感的には6時間くらいの差に感じる。平日6時間+土日18時間=週48時間よりも、1日7時間×7日間=週49時間の方が、体感的には大分楽になった。不思議な現象だが事実である。

断酒52日/300日
(飲酒35日目/65日)

#行政書士 #試験 #勉強 #受験 #R8 #令和8年 #法律 #法学 #憲法 #民法 #行政法 #司法試験

以下、自分用

R4年度

問題1 基礎法学
 ヨーロッパ大陸において、伝統的に〔 ア 〕制に対して消極的な態度がとられていることは知られるが、それはそこでの裁判観につながると考えられる。それによれば、裁判官の意見が区々に分かれていることを外部に明らかにすることは、裁判所の権威を害するとされる。〔 ア 〕制は、その先例としての力を弱めるのみではなく、裁判所全体の威信を減退すると考えられているようである。裁判所内部にいかに意見の分裂があっても、〔 イ 〕として力をもつ〔 ウ 〕のみが一枚岩のように示されることが、裁判への信頼を生むとされるのであろう。しかし、果たして外観上つねに〔 エ 〕の裁判の形をとり、異なる意見を抑えることが、裁判所の威信を高めることになるであろうか。英米的な考え方からすると、各裁判官に自らの意見を独自に述べる機会を与える方が、外部からみても裁判官の独立を保障し、司法の威信も増すともいえよう。ここには、大陸的な裁判観と英米的な裁判観のちがいがあるように思われる。(出典 伊藤正巳「裁判官と学者の間」1993から)

〔 ア 〕少数意見

〔 イ 〕判例

〔 ウ 〕多数意見

〔 エ 〕全員一致

AI による概要
裁判における少数意見制(しょうすういけんせい)とは、最高裁判所などの合議体での多数決による判決に対し、多数意見とは異なる考えを持つ裁判官がその理由を裁判書に記載する制度で、日本では最高裁のみに義務付けられ、判決の多様な理解や将来の判例形成、裁判官の独立性を示す役割があり、反対意見(結論が異なる)、意見(理由が異なる)、補足意見(多数意見を補強)などの種類があります。

問題2 法律用語

イ 〇
「法律効果」とは、法律上の権利義務関係の変動(発生、変更または消滅)のことをいう。

エ 〇
「立法事実」とは、法律を制定する場合において、当該立法の合理性を根拠付ける社会的、経済的、政治的または科学的事実のことをいう。

オ 〇
「要件事実」とは、法律要件に該当する具体的な事実のことをいう。

・意思表示も法律要件に含まれる

・構成要件には、故意などの主観的な要素が含まれるとする説がある

問題3 表現の自由
 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現の自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における行動である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあっても、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきである。(最一小判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁)

5 〇(判断基準が想定している事例)
A市の公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xを厳しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償と謝罪広告を求めて出訴した。

問題4 経済的自由
 薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知見に基づく指導を行うことを求めている。そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らあることを主張して出訴した。この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。

1 ×
憲法22条1項が保障するのは職業選択の自由のみであるが、職業活動の内容や態様に関する自由もまた、この規定の精神に照らして十分尊重に値する。後者に対する制約は、公共の福祉のために必要かつ合理的なものであることを要する

・保障されている

判例「憲法22条1項は、狭義における職業選択の自由のみならず、職業活動の自由も保障しているところ、職業の自由に対する規制措置は事情に応じて各種各様の形をとるため、その同項適合性を一律に論ずることはできず、その適合性は、具体的な規制措置について、規制の目的、必要性、内容、これによって制限される職業の自由の性質、内容及び制限の程度を検討し、これらを比較考量した上で慎重に決定されなければならない。」(最判令和3年3月18日)

2 〇
規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。

・消極目的規制 危険の除去・安全の保護といった消極目的を主眼とする規制

・積極目的規制 社会政策的に、弱者・少数者等を保護するなどの積極目的を主眼とする規制

問題5 適正手続

4 〇
不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ。

・接見交通権 刑事事件の被疑者・被告人として身柄拘束を受けている者が、弁護士等と面談(接見)する権利、物品を受領(交通)する権利

・判例によると、憲法は接見交通の機会を実質的に保障している

逋脱(ほだつ)

AI による概要

逋脱(ほだつ)とは、偽りや不正な行為によって納税義務を意図的に免れる、いわゆる脱税のことです。申告納税制度下で国家の課税権を侵害する重大な犯罪行為であり、所得隠しや売上除外、経費の架空計上などが該当します。発覚すれば国税犯則取締法に基づく査察(マルサ)の対象となり、10年以下の拘禁刑や高額な罰金が科されるほか、社会的信用を失うリスクがあります。

問題6 内閣の権限

4 〇
内閣総理大臣が欠けたとき、内閣は総辞職をしなければならないが、この場合の内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行う。

5 ×
新年度開始までに予算が成立せず、しかも暫定予算も成立しない場合、内閣は、新年度予算成立までの間、自らの判断で予備費を設け予算を執行することができる

■ 日本国憲法

第五十四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

問題7 裁判の公開

3 〇
証人尋問の際に、傍聴人と証人との間で遮へい措置が採られても、審理が公開されていることに変わりはないから、裁判の公開に関する憲法の規定には違反しない。

・対審

裁判官の前で、当事者が、口頭でそれぞれの主張を述べる手続のこと

判例「非訟事件手続法による過料の裁判の合憲性」

「非訟事件手続法による過料の裁判は、憲法第31条、第32条、第82条に違反しない。」

「過料の裁判は、理由を付した決定でこれをすることとし(同207条1項)、これに不服のある者は即時抗告をすることができ、この抗告は過料の裁判の執行停止の効力を有するものとする(同条3項)など、違法・不当に過料に処せられることがないよう十分配慮しているのであるから(後略)」

(最大決昭和41年12月27日)

問題8 公法上の権利の一身専属性
 最高裁判所昭和42年5月24日判決(いわゆる朝日訴訟判決)においては、生活保護を受給する地位は、一身専属のものであって相続の対象とはなりえず、その結果、原告の死亡と同時に当該訴訟は終了して、同人の相続人らが当該訴訟を承継し得る余地はないとされた。そして、この判決は、その前提として、〔 A 〕。
 その後も公法上の権利の一身専属性が問題となる事例が散見されたが、労働者等のじん肺に係る労災保険給付を請求する権利については最高裁判所平成29年4月6日判決が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく認定の申請がされた健康管理手当の受給権については最高裁判所平成29年12月18日判決が、それぞれ判断をしており、〔 B 〕。
 なお、この健康管理手当の受給権の一身専属性について、裁判所平成29年12月18日判決では、受給権の性質が〔 C 〕。

〔 A 〕

ア〇 生活保護法の規定に基づき、要保護者等が国から生活保護を受けるのは、法的効果であって、保護受給権とも称すべきものであるとしている。

イ× 生活保護法の規定に基づき、要保護者等が国から生活保護を受けるのは、国の恩恵ないし社会政策の実施に伴う反射的利益であるとしている。

〔 B 〕

エ〇 両判決ともに、権利の一身専属性を認めず、相続人による訴訟承継を認めた

〔 C 〕

〇カ 国家補償的性質を有することが、一身専属性が認められない根拠の一つになるとの考え方が示されている。

判例「被保護者の死亡と生活保護処分に関する裁決取消訴訟承継の成否」

「生活保護処分に関する裁決の取消訴訟は、被保護者の死亡により、当然終了する。」

「生活保護法の規定に基づき要保護者または被保護者が国から生活保護を受けるのは、単なる国の恩恵ないし社会政策の実施に伴う反射的利益ではなく、法的権利であつて、保護受給権とも称すべきものと解すべきである。しかし、この権利は、被保護者自身の最低限度の生活を維持するために当該個人に与えられた一身専属の権利であつて、他にこれを譲渡し得ないし(59条参照)、相続の対象ともなり得ないというべきである。」

(最大判昭和42年5月24日)

判例「じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者等が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合における労働者災害補償保険法11条1項に規定する者による訴訟承継の成否」

「じん肺管理区分が管理1に該当する旨の決定を受けた常時粉じん作業に従事する労働者又は常時粉じん作業に従事する労働者であった者が管理4に該当するとして提起した当該決定の取消訴訟の係属中に死亡した場合には,労働者災害補償保険法11条1項に規定する者が当該訴訟を承継する。」

「都道府県労働局長から所定の手続を経て管理1に該当する旨の決定を受けた労働者等は,これを不服として,当該決定の取消しを求める法律上の利益を有するところ,労災保険法11条1項所定の遺族は,死亡した労働者等が有していたじん肺に係る労災保険給付の請求権を承継的に取得するものと理解することができること(同項及び同条2項)を考慮すると,このような法律上の利益は,当該労働者等が死亡したとしても,当該労働者等のじん肺に係る未支給の労災保険給付を請求することができる上記遺族が存する限り,失われるものではないと解すべきである。」

(最判平成29年4月6日)

判例「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳交付申請及び健康管理手当認定申請の各却下処分の取消しを求める訴訟並びに同取消しに加えて被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟につき,訴訟の係属中に申請者が死亡した場合における訴訟承継の成否」

「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく被爆者健康手帳交付申請及び健康管理手当認定申請の各却下処分の取消しを求める訴訟並びに同取消しに加えて被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟について,訴訟の係属中に申請者が死亡した場合には,その相続人が当該訴訟を承継する。」

「健康管理手当の受給権は,当該申請をした者の一身に専属する権利ということはできず,相続の対象となるものであるから(後略)」

(最判平成29年12月18日)

問題9 行政契約

ウ〇
水道事業者たる地方公共団体は、給水契約の申込みが、適正かつ合理的な供給計画によっては対応することができないものである場合には、水道法の定める「正当の理由」があるものとして、給水契約を拒むことができる。

オ〇
法令上、随意契約によることができない契約を地方公共団体が随意契約で行った場合であっても、当該契約の効力を無効としなければ法令の規定の趣旨を没却する結果となる特別の事情が存在しない限り、当該契約は私法上有効なものとされる。

AI による概要
随意契約(ずいいけいやく)とは、国や地方公共団体などが、競争入札(競り合い)を行わず、発注者が「任意(随意)」で特定の事業者を選んで契約を結ぶ方法のことです。原則は競争入札ですが、契約の性質上、緊急時、少額、秘密が必要な場合などに法令で認められた範囲でのみ適用され、「特命契約」とも呼ばれ、効率性や公平性のバランスが重要視されます。

判例「水道事業者である町が水道水の需要の増加を抑制するためマンション分譲業者との給水契約の締結を拒否したことに水道法15条1項にいう「正当の理由」があるとされた事例」

「水道事業を経営する町がマンション分譲業者からの420戸分の給水契約の申込みに対し契約の締結を拒んだことは、当該町が、全国有数の人口過密都市であり今後も人口の集積が見込まれ、認可を受けた水源のみでは現在必要とされる給水量を賄うことができず、認可外の水源から取水して給水量を補っているが当該取水は不安定であり、多額の財政的負担をして種々の施策を執ってきているが容易に右状況が改善されることは見込めず、このまま漫然と新規の給水申込みに応じていると近い将来需要に応じきれなくなり深刻な水不足を生ずるこが予測されるという判示の事実関係の下においては、新たな給水申込みのうち、需要量が特に大きく、住宅を供給する事業を営む者が住宅を分譲する目的であらかじめしたものについて給水契約の締結を拒むことにより、急激な水道水の需要の増加を抑制するためのやむを得ない措置であって、右の措置には水道法15条1項にいう「正当の理由」があるものというべきである。」

「給水契約の申込みが右のような適正かつ合理的な供給計画によっては対応することができないものである場合には、法15条1項にいう「正当の理由」があるものとして、これを拒むことが許されると解すべきである。」

(最判平成11年1月21日)

判例「町とその区域内に産業廃棄物処理施設を設置している産業廃棄物処分業者とが締結した公害防止協定における,上記施設の使用期限の定め及びその期限を超えて産業廃棄物の処分を行ってはならない旨の定めは,廃棄物処理法の趣旨に反するか。」

「町とその区域内に産業廃棄物処理施設を設置している産業廃棄物処分業者とが締結した公害防止協定における,上記施設の使用期限の定め及びその期限を超えて産業廃棄物の処分を行ってはならない旨の定めは,これらの定めにより,廃棄物処理法に基づき上記業者が受けた知事の許可が効力を有する期間内にその事業又は施設が廃止されることがあったとしても,同法の趣旨に反しない。」

「処分業者が,公害防止協定において,協定の相手方に対し,その事業や処理施設を将来廃止する旨を約束することは,処分業者自身の自由な判断で行えることであり,その結果,許可が効力を有する期間内に事業や処理施設が廃止されることがあったとしても,同法に何ら抵触するものではない。」

(最判平成21年7月10日)

判例「普通地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して締結した契約の効力」

「普通地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して締結した契約は、地方自治法施行令167条の2第1項の掲げる事由のいずれにも当たらないことが何人の目にも明らかである場合や契約の相手方において随意契約の方法によることが許されないことを知り又は知り得べかりし場合など当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限り、私法上無効となる。」

「普通地方公共団体の契約担当者が右事由に該当すると判断するに至つた事情も契約の相手方において常に知り得るものとはいえないのであるから、もし普通地方公共団体の契約担当者の右判断が後に誤りであるとされ当該契約が違法とされた場合にその私法上の効力が当然に無効であると解するならば、契約の相手方において不測の損害を被ることにもなりかねず相当とはいえないからである。」

(最判昭和62年5月19日)

問題10 行政調査

5 〇
行政調査の実効性を確保するため、調査に応じなかった者に刑罰を科す場合、調査自体の根拠規定とは別に、刑罰を科すことにつき法律の明文の根拠規定を要する。

・行政調査の分類

①法的拘束力を欠いた任意的な調査

 宗教法人への立入調査(宗教法人法78条の2第1項)

②応じる義務はあるが、強制する仕組みのない調査

 警職法の立入検査(警職法6条2項)

③拒否すると対象から外れる、不利な仕組みのある調査

 生活保護対象者への立入調査(生活保護法28条4項)

④拒否すると罰則がある調査

 間接国税の検査拒否・妨害等(国税犯則取締法19条の2)

⑤実力を行使してできる調査

 関税法の犯則事件調査の臨検等(関税法121条)

判例「職務質問に附随して行う所持品検査の許容限度」

「職務質問に附随して行う所持品検査は、所持人の承諾を得て、その限度においてこれを行うのが原則であるが、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、所持品検査の必要性、緊急性、これによつて侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況のもとで相当と認められる限度で許容される場合がある。」

「所持人の承諾のない限り所持品検査は一切許容されないと解するのは相当でなく、捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、所持品検査においても許容される場合があると解すべきである。」

「警職法は、その2条1項において同項所定の者を停止させて質問することができると規定するのみで、所持品の検査については明文の規定を設けていないが、所持品の検査は、口頭による質問と密接に関連し、かつ、職務質問の効果をあげるうえで必要性、有効性の認められる行為であるから、同条項による職務質問に附随してこれを行うことができる場合があると解するのが、相当である。」

(最判昭和53年6月20日)

判例「警察官による交通違反の予防、検挙を目的とする自動車の一せい検問の適法性」

「警察官が、交通取締の一環として、交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のため、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法である。」

「自動車の運転者は、公道において自動車を利用することを許されていることに伴う当然の負担として、合理的に必要な限度で行われる交通の取締に協力すべきものであること、その他現時における交通違反、交通事故の状況などをも考慮すると、警察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のための自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである。」

(最決昭和55年9月22日)

判例「法人税法(平成13年法律第129号による改正前のもの)153条ないし155条に規定する質問又は検査の権限の行使により取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できる場合と同法156条」

「法人税法(平成13年法律第129号による改正前のもの)153条ないし155条に規定する質問又は検査の権限の行使に当たって,取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても,そのことによって直ちに,上記質問又は検査の権限が同法156条に反して犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにはならない。」

「法人税法(平成13年法律第129号による改正前のもの)156条によると,同法153条ないし155条に規定する質問又は検査の権限は,犯罪の証拠資料を取得収集し,保全するためなど,犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使することは許されないと解するのが相当である。しかしながら,上記質問又は検査の権限の行使に当たって,取得収集される証拠資料が後に犯則事件の証拠として利用されることが想定できたとしても,そのことによって直ちに,上記質問又は検査の権限が犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行使されたことにはならないというべきである。」

(最決平成16年1月20日)

問題11 申請に対する処分

1 〇
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努め、これを定めたときは、行政手続法所定の方法により公にしておかなければならない。

■ 行政手続法

(標準処理期間)

第六条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は、併せて、当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

問題12 行政手続法が定める不利益処分の手続

3 〇
弁明の機会の付与は、処分を行うため意見陳述を要する場合で、聴聞によるべきものとして法が列挙している場合のいずれにも該当しないときに行われ、弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明書の提出により行われる。

■ 行政手続法

(不利益処分をしようとする場合の手続)

第十三条 行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。

 一 次のいずれかに該当するとき 聴聞

  イ 許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。

  ロ イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。

  ハ 名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。

  ニ イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認めるとき。

二 前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与

2 次の各号のいずれかに該当するときは、前項の規定は、適用しない。

 一 公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき。

 二 法令上必要とされる資格がなかったこと又は失われるに至ったことが判明した場合に必ずすることとされている不利益処分であって、その資格の不存在又は喪失の事実が裁判所の判決書又は決定書、一定の職に就いたことを証する当該任命権者の書類その他の客観的な資料により直接証明されたものをしようとするとき。

 三 施設若しくは設備の設置、維持若しくは管理又は物の製造、販売その他の取扱いについて遵守すべき事項が法令において技術的な基準をもって明確にされている場合において、専ら当該基準が充足されていないことを理由として当該基準に従うべきことを命ずる不利益処分であってその不充足の事実が計測、実験その他客観的な認定方法によって確認されたものをしようとするとき。

 四 納付すべき金銭の額を確定し、一定の額の金銭の納付を命じ、又は金銭の給付決定の取消しその他の金銭の給付を制限する不利益処分をしようとするとき。

 五 当該不利益処分の性質上、それによって課される義務の内容が著しく軽微なものであるため名あて人となるべき者の意見をあらかじめ聴くことを要しないものとして政令で定める処分をしようとするとき。

(弁明の機会の付与の方式)

第二十九条 弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。

2 弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。

問題13 行政手続法が定める届出

1 〇
届出は、法の定めによれば、「行政庁に対し一定の事項の通知をする行為」であるが、「申請に該当するものを除く」という限定が付されている。

■ 行政手続法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 法令 法律、法律に基づく命令(告示を含む。)、条例及び地方公共団体の執行機関の規則(規程を含む。以下「規則」という。)をいう。

 二 処分 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。

 三 申請 法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているものをいう。

 四 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。

  イ 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分

  ロ 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分

  ハ 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分

  ニ 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

 五 行政機関 次に掲げる機関をいう。

  イ 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、会計検査院若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機関の職員であって法律上独立に権限を行使することを認められた職員

  ロ 地方公共団体の機関(議会を除く。)

 六 行政指導 行政機関がその任務又は所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう。

 七 届出 行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)をいう。

 八 命令等 内閣又は行政機関が定める次に掲げるものをいう。

  イ 法律に基づく命令(処分の要件を定める告示を含む。次条第二項において単に「命令」という。)又は規則

  ロ 審査基準(申請により求められた許認可等をするかどうかをその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)

  ハ 処分基準(不利益処分をするかどうか又はどのような不利益処分とするかについてその法令の定めに従って判断するために必要とされる基準をいう。以下同じ。)

  ニ 行政指導指針(同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項をいう。以下同じ。)

(届出)

第三十七条 届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。

問題14 行政不服審査法の規定

2 〇
行政不服審査法に基づく審査請求を審理した審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書を作成し、速やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない。

■ 行政不服審査法

(審理員意見書)

第四十二条 審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書(以下「審理員意見書」という。)を作成しなければならない。

2 審理員は、審理員意見書を作成したときは、速やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない。

問題15 審理員に関する行政不服審査法の規定

2 〇
審理員は、職権により、物件の所持人に対し物件の提出を求めた上で、提出された当該物件を留め置くことができる。

■ 行政不服審査法

(物件の提出要求)

第三十三条 審理員は、審査請求人若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書類その他の物件の所持人に対し、相当の期間を定めて、その物件の提出を求めることができる。この場合において、審理員は、その提出された物件を留め置くことができる。

(審理手続の併合又は分離)

第三十九条 審理員は、必要があると認める場合には、数個の審査請求に係る審理手続を併合し、又は併合された数個の審査請求に係る審理手続を分離することができる。

問題16 行政不服審査法が定める教示

2 〇
処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合において、処分の相手方に対し、当該処分の執行停止の申立てをすることができる旨を教示する必要はない。

3 〇
処分庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分であるかどうかにつき書面による教示を求められたときは、書面で教示をしなければならない。

4 〇
処分をなすに際し、処分庁が行政不服審査法において必要とされる教示をしなかった場合、当該処分に不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。

5 〇
審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をなす場合には、裁決書に、再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁および再審査請求期間を記載してこれらを教示しなければならない。

■ 行政不服審査法

(不服申立てをすべき行政庁等の教示)

第八十二条 行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。

2 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない。

3 前項の場合において、教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければならない。

(教示をしなかった場合の不服申立て)

第八十三条 行政庁が前条の規定による教示をしなかった場合には、当該処分について不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。

2 第十九条(第五項第一号及び第二号を除く。)の規定は、前項の不服申立書について準用する。

3 第一項の規定により不服申立書の提出があった場合において、当該処分が処分庁以外の行政庁に対し審査請求をすることができる処分であるときは、処分庁は、速やかに、当該不服申立書を当該行政庁に送付しなければならない。当該処分が他の法令に基づき、処分庁以外の行政庁に不服申立てをすることができる処分であるときも、同様とする。

4 前項の規定により不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。

5 第三項の場合を除くほか、第一項の規定により不服申立書が提出されたときは、初めから当該処分庁に審査請求又は当該法令に基づく不服申立てがされたものとみなす。

問題17 行政事件訴訟法

4 〇
「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しない行為については、民事保全法に規定する仮処分をする余地がある。

・民事訴訟では、勝訴しても無意味にならないように、民事保全法に仮処分という制度を設けている

・行政事件訴訟法では、執行不停止を原則としつつ、必要に応じて執行停止が行政事件訴訟法で認められている

・行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為については、民事保全法に規定する仮処分をすることができない

・行政庁の処分その他公権力の行使に該当しない行為については、民事保全法に規定する仮処分をする余地がある

5 ×
当事者訴訟については、具体的な出訴期間が行政事件訴訟法において定められているが、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であっても、これを提起することができる。

・行政事件訴訟法に、当事者訴訟の出訴期間を定めた条文はない

■ 行政事件訴訟法

(仮処分の排除)

第四十四条 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

問題18 抗告訴訟の対象

2 〇
都市計画区域内において用途地域を指定する決定は、地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課すものではあるが、その効果は、新たにそのような制約を課する法令が制定された場合と同様の当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なものにすぎず、当該地域内の個人の具体的な権利を侵害するものではないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しない。

3 〇
市町村の施行に係る土地区画整理事業計画の決定により、事業施行地区内の宅地所有者等は、所有権等に対する規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるため、当該計画の決定は、その法的地位に直接的な影響を及ぼし、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する。

4 〇
地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為は、同条例が上記水道料金を一般的に改訂するものであって、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、同条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しない。

5 〇
特定の保育所の廃止のみを内容とする条例は、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所廃止の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童およびその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから、その制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができ、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する。

・抗告訴訟

行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟のこと

行政事件訴訟法に定められている6つの訴訟類型

①処分の取消訴訟

②裁決の取消訴訟

③無効等確認訴訟

④不作為の違法確認訴訟

⑤義務付け訴訟

⑥差止訴訟

・処分性が否定された例

都市計画法に基づく用途地域・高度地区の指定

道路に関する都市計画変更決定

都市計画法に基づく地区計画

・処分性が肯定された例

土地区画整理組合の認可

土地改良事業計画における事業施行の認可

第二種市街地再開発事業計画の決定・公告

土地区画整理事業計画の決定

判例「公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法32条所定の同意を拒否する行為と抗告訴訟の対象」

「公共施設の管理者である国若しくは地方公共団体又はその機関が都市計画法32条所定の同意を拒否する行為は、抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。」

「開発行為を行おうとする者が、右の同意を得ることができず、開発行為を行うことができなくなったとしても、その権利ないし法的地位が侵害されたものとはいえないから、右の同意を拒否する行為が、国民の権利ないし法律上の地位に直接影響を及ぼすものであると解することはできない。」

(最判平成7年3月23日)

判例「都市計画法8条1項1号の規定に基づく工業地域指定の決定と抗告訴訟の対象」

「都市計画法8条1項1号の規定に基づく工業地域指定の決定は、抗告訴訟の対象とならない。」

「右決定が、当該地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生ぜしめるものであることは否定できないが、かかる効果は、あたかも新たに右のような制約を課する法令が制定された場合におけると同様の当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれにすぎず、このような効果を生ずるということだけから直ちに右地域内の個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があつたものとして、これに対する抗告訴訟を肯定することはできない。」

(最判昭和57年4月22日)

判例「市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象」

「市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。」

「市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定は,施行地区内の宅地所有者等の法的地位に変動をもたらすものであって,抗告訴訟の対象とするに足りる法的効果を有するものということができ,実効的な権利救済を図るという観点から見ても,これを対象とした抗告訴訟の提起を認めるのが合理的である。」

(最大判平成20年9月10日)

判例「普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないとされた事例」

「普通地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為は,同条例が上記水道料金を一般的に改定するものであって,限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく,同条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないという事情の下では,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらない。」

(最判平成18年7月14日)

判例「市の設置する特定の保育所を廃止する条例の制定行為が抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとされた事例」

「市の設置する特定の保育所を廃止する条例の制定行為は,当該保育所の利用関係が保護者の選択に基づき保育所及び保育の実施期間を定めて設定されるものであり,現に保育を受けている児童及びその保護者は当該保育所において保育の実施期間が満了するまでの間保育を受けることを期待し得る法的地位を有すること,同条例が,他に行政庁の処分を待つことなくその施行により当該保育所廃止の効果を発生させ,入所中の児童及びその保護者という限られた特定の者らに対して,直接,上記法的地位を奪う結果を生じさせるものであることなど判示の事情の下では,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。」

「条例の制定は,普通地方公共団体の議会が行う立法作用に属するから,一般的には,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものでないことはいうまでもないが,本件改正条例は,本件各保育所の廃止のみを内容とするものであって,他に行政庁の処分を待つことなく,その施行により各保育所廃止の効果を発生させ,当該保育所に現に入所中の児童及びその保護者という限られた特定の者らに対して,直接,当該保育所において保育を受けることを期待し得る上記の法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから,その制定行為は,行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができる。」

(最判平成21年11月26日)

問題19 行政事件訴訟法が定める処分無効確認訴訟

3 〇
無効確認訴訟は、処分の取消訴訟につき審査請求の前置が要件とされている場合においても、審査請求に対する裁決を経ずにこれを提起することができる。

問題20 国家賠償法1条1項に基づく国家賠償責任

2 〇
指定確認検査機関による建築確認事務は、当該確認に係る建築物について確認権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の事務であり、当該地方公共団体が、当該事務について国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う。

判例「無罪判決の確定と捜査及び訴追の違法性」

「無罪の刑事判決が確定したというだけで直ちに当該刑事事件についてされた逮捕、勾留及び公訴の提起・追行が違法となるものではない。」

「逮捕・勾留はその時点において犯罪の嫌疑について相当な理由があり、かつ、必要性が認められるかぎりは適法であり、公訴の提起は、検察官が裁判所に対して犯罪の成否、刑罰権の存否につき審判を求める意思表示にほかならないのであるから、起訴時あるいは公訴追行時における検察官の心証は、その性質上、判決時における裁判官の心証と異なり、起訴時あるいは公訴追行時における各種の証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば足りるものと解するのが相当であるからである。」

(最判昭和53年10月20日)

判例「指定確認検査機関の確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体と行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」」

「指定確認検査機関による建築基準法6条の2第1項の確認に係る建築物について,同法6条1項の確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は,指定確認検査機関の当該確認につき行政事件訴訟法21条1項所定の「当該処分又は裁決に係る事務の帰属する国又は公共団体」に当たる。」

「指定確認検査機関による確認に関する事務は,建築主事による確認に関する事務の場合と同様に,地方公共団体の事務であり,その事務の帰属する行政主体は,当該確認に係る建築物について確認をする権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体であると解するのが相当である。」

(最決平成17年6月24日)

判例「公立学校における教師の教育活動と国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」」

「国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれる。」

(最判昭和62年2月6日)

判例「収入金額を確定申告の額より増額しながら必要経費の額を確定申告の額のままとしたため所得金額を過大に認定した所得税の更正が国家賠償法上違法でないとされた事例」

「税務署長が収入金額を確定申告の額より増額しながら必要経費の額を確定申告の額のままとして所得税の更正をしたため、所得金額を過大に認定する結果となったとしても、確定申告の必要経費の額を上回る金額を具体的に把握し得る客観的資料等がなく、また、納税義務者において税務署長の行う調査に協力せず、資料等によって確定申告の必要経費が過少であることを明らかにしないために、右の結果が生じたなど判示の事実関係の下においては、右更正につき国家賠償法1条1項にいう違法があったということはできない。」

「本件各更正における所得金額の過大認定は、専ら被上告人において本件係争各年分の申告書に必要経費を過少に記載し、本件各更正に至るまでこれを訂正しようとしなかったことに起因するものということができ、奈良税務署長がその職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をした事情は認められないから(後略)」

「税務署長のする所得税の更正は、所得金額を過大に認定していたとしても、そのことから直ちに国家賠償法1条1項にいう違法があったとの評価を受けるものではなく、税務署長が資料を収集し、これに基づき課税要件事実を認定、判断する上において、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得るような事情がある場合に限り、右の評価を受けるものと解するのが相当である。」

(最判平成5年3月11日)

判例「警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被つた場合において右追跡行為が国家賠償法1条1項の適用上違法であるというための要件」

「警察官のパトカーによる追跡を受けて車両で逃走する者が惹起した事故により第三者が損害を被つた場合において、右追跡行為が国家賠償法1条1項の適用上違法であるというためには、追跡が現行犯逮捕、職務質問等の職務の目的を遂行するうえで不必要であるか、又は逃走車両の走行の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無・内容に照らして追跡の開始、継続若しくは方法が不相当であることを要する。」

「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断してなんらかの犯罪を犯したと疑うに足りる相当な理由のある者を停止させて質問し、また、現行犯人を現認した場合には速やかにその検挙又は逮捕に当たる職責を負うものであつて(警察法2条、65条、警察官職務執行法2条1項)、右職責を遂行する目的のために被疑者を追跡することはもとよりなしうるところであるから、警察官がかかる目的のために交通法規等に違反して車両で逃走する者をパトカーで追跡する職務の執行中に、逃走車両の走行により第三者が損害を被つた場合において、右追跡行為が違法であるというためには、右追跡が当該職務目的を遂行する上で不必要であるか、又は逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無及び内容に照らし、追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が不相当であることを要するものと解すべきである。」

(最判昭和61年2月27日)

問題21 国家賠償法2条1項に基づく国家賠償責任

イ 〇
営造物の供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となり、当該営造物の設置・管理者が賠償義務を負うかどうかを判断するにあたっては、侵害行為の開始とその後の継続の経過および状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無およびその内容、効果等の事情も含めた諸要素の総合的な考察によりこれを決すべきである。

ウ 〇
道路等の施設の周辺住民から供用の差止めが求められた場合に差止請求を認容すべき違法性があるかどうかを判断するにあたって考慮すべき要素は、周辺住民から損害の賠償が求められた場合に賠償請求を認容すべき違法性があるかどうかを判断するにあたって考慮すべき要素とほぼ共通するが、双方の場合の違法性の有無の判断に差異が生じることがあっても不合理とはいえない。

判例「一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により受けた被害が社会生活上受忍すべき限度を超えるとして右道路の設置又は管理に瑕疵があるとされた事例」

「一般国道等の道路の周辺住民がその供用に伴う自動車騒音等により睡眠妨害、会話、電話による通話、家族の団らん、テレビ・ラジオの聴取等に対する妨害及びこれらの悪循環による精神的苦痛等の被害を受けている場合において、右道路は産業物資流通のための地域間交通に相当の寄与をしているが、右道路が地域住民の日常生活の維持存続に不可欠とまではいうことのできないいわゆる幹線道路であって、周辺住民が右道路の存在によってある程度の利益を受けているとしても、その利益とこれによって被る被害との間に、後者の増大に必然的に前者の増大が伴うというような彼此相補の関係はないなど判示の事情の存するときは、右被害は社会生活上受忍すべき限度を超え、右道路の設置又は管理には瑕疵があるというべきである。」

「騒音等が周辺住民に及ぼす影響を考慮して当初からこれについての対策を実施すべきであったのに、右対策が講じられないまま住民の生活領域を貫通する本件道路が開設され、その後に実施された環境対策は、巨費を投じたものであったが、なお十分な効果を上げているとまではいえないというのである。そうすると、本件道路の公共性ないし公益上の必要性のゆえに、被上告人らが受けた被害が社会生活上受忍すべき範囲内のものであるということはできず、本件道路の供用が違法な法益侵害に当たり、上告人らは被上告人らに対して損害賠償義務を負うべきであるとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。」

「回避可能性があったことが本件道路の設置又は管理に瑕疵を認めるための積極的要件になるものではないと解すべきである。」

「営造物の供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となり、営造物の設置・管理者において賠償義務を負うかどうかを判断するに当たっては、侵害行為の態様と侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等を比較検討するほか、侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等の事情をも考慮し、これらを総合的に考察してこれを決すべきものである」

(最判平成7年7月7日)

判例「営造物の利用の態様及び程度が一定の限度を超えるために利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある場合と国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵」

「施設に危害を生ぜしめる危険性がなくても、これを超える利用によつて利用者又は第三者に対して危害を生ぜしめる危険性がある状況にある場合には、そのような利用に供される限りにおいて右営造物につき国家賠償法2条1項にいう設置又は管理の瑕疵があるものというべきである。」

「国家賠償法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が有すべき安全性を欠いている状態をいうのであるが、そこにいう安全性の欠如、すなわち、他人に危害を及ぼす危険性のある状態とは、ひとり当該営造物を構成する物的施設自体に存する物理的、外形的な欠陥ないし不備によつて一般的に右のような危害を生ぜしめる危険性かある場合のみならず、その営造物が供用目的に沿つて利用されることとの関連において危害を生ぜしめる危険性がある場合をも含み、また、その危害は、営造物の利用者に対してのみならず、利用者以外の第三者に対するそれをも含むものと解すべきである。」

(最大判昭和56年12月16日)

■ 国家賠償法

第二条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。

2 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。

問題22
 A市議会においては、屋外での受動喫煙を防ぐために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者に罰金もしくは過料のいずれかを科することを定める条例を制定しようとしている。

3 〇
この条例で過料を定める場合についてはその上限が地方自治法によって制限されている。

・条例に違反した者に対し、2年以下の懲役若しくは禁固、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる(地方自治法14条3項)

4 ×
地方自治法の定める上限の範囲内であれば、この条例によらず、A市長の定める規則で罰金を定めることもできる。

・条例にかえて長の規則で違反者に罰金を科することはできない

・普通地方公共団体の長は、5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる(地方自治法15条2項)

判例「昭和24年新潟県条例第4号(公安条例)の属地的効力」

「昭和24年新潟県条例第4号(公安条例)は、新潟県の地域内においては、この地域に来れる何人に対してもその効力を及ぼすものであつて、他県の在住者といえども、同県内において右条例の罰則にあたる行為をした以上、その罪責を免れるものではない。」

「条例を制定する権能もその効力も、法律の認める範囲を越えることを得ないとともに、法律の範囲内に在るかぎり原則としてその効力は当然属地的に生ずるものと解すべきである。それゆえ本件条例は、新潟県の地域内においては、この地域に来れる何人に対してもその効力を及ぼすものといわなければならない。」

(最大判昭和29年11月24日)

■ 地方自治法

 第三章 条例及び規則

第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。

2 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。

3 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の拘禁刑、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

第十五条 普通地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則を制定することができる。

2 普通地方公共団体の長は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

第百四十九条 普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。

 一 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。

 二 予算を調製し、及びこれを執行すること。

 三 地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。

 四 決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。

 五 会計を監督すること。

 六 財産を取得し、管理し、及び処分すること。

 七 公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。

 八 証書及び公文書類を保管すること。

 九 前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。

問題23 住民監査請求および住民訴訟

3 ×
普通地方公共団体における違法な財務会計行為について住民訴訟を提起しようとする者は、当該財務会計行為について、その者以外の住民が既に提起した住民監査請求の監査結果が出ている場合は、自ら別個に住民監査請求を行う必要はない

・他の住民によって既に住民監査請求の監査結果が出ていたとしても、自ら住民監査請求を行わずに住民訴訟を提起することはできない

5 〇
違法に公金の賦課や徴収を怠る事実に関し、住民が住民監査請求をした場合において、それに対する監査委員の監査の結果または勧告に不服があるとき、当該住民は、地方自治法に定められた出訴期間内に住民訴訟を提起することができる。

・住民が住民監査請求をした場合において、監査委員の監査の結果または勧告に不服があるときは、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があった日から30日以内に住民訴訟を提起することができる(地方自治法242条の2第1項・2項)

判例「普通地方公共団体の住民が,地方自治法242条の2に基づく訴えを提起した後,事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合の右訴えの適否」

「普通地方公共団体の住民が,地方自治法242条の2に基づく訴えを提起した後,事実審の口頭弁論終結時までに当該普通地方公共団体から転出した場合には,右訴えは,当事者適格を欠く者の訴えとして不適法となる。」

「本件訴訟は地方自治法242条の2の規定に基づく住民訴訟であるから、控訴人らが芦屋市の住民であることを要件とするものであり、しかもその住民であることの要件は本件訴えの適法要件であるから事実審の口頭弁論終結時まで存在していることを要するものと解すべきである。しかして控訴人Aは昭和53年4月3日、同Bは昭和54年4月29日、同Cは昭和52年8月30日にそれぞれ芦屋市を転出し、いずれも昭和58年12月15日午後1時の本件口頭弁論終結時以前に芦屋市の住民ではなくなつていることは、控訴人らの自認するところであるから、右控訴人3名の本件訴えは当事者適格を欠く不適法のものというべきである。したがつて右控訴人3名の本件訴えはこれを却下すべきである。」

(大阪高判昭和59年1月25日)

■ 地方自治法

(住民訴訟)

第二百四十二条の二 普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。

 一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求

 二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求

 三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求

 四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の八第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求

2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。

 一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内

 二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内

 三 監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該六十日を経過した日から三十日以内

 四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

3 前項の期間は、不変期間とする。

4 第一項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。

5 第一項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

6 第一項第一号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。

7 第一項第四号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。

8 前項の訴訟告知があつたときは、第一項第四号の規定による訴訟が終了した日から六月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。

9 民法第百五十三条第二項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。

10 第一項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

11 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第四十三条の規定の適用があるものとする。

12 第一項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。

問題24 都道府県の事務にかかる地方自治法の規定

1 〇
都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部について、条例の定めるところにより、市町村が処理するものとすることができるとされている。

・法定受託事務に係る審査請求

処分を行った機関→ 審査請求の相手方

都道府県 → 大臣

市長村長 → 都道府県知事

市町村教育委員会 → 都道府県教育委員会

市町村選挙管理委員会 → 都道府県選挙管理委員会

■ 地方自治法

(職員の派遣)

第二百五十二条の十七 普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員は、法律に特別の定めがあるものを除くほか、当該普通地方公共団体の事務の処理のため特別の必要があると認めるときは、他の普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員に対し、当該普通地方公共団体の職員の派遣を求めることができる。

2 前項の規定による求めに応じて派遣される職員は、派遣を受けた普通地方公共団体の職員の身分をあわせ有することとなるものとし、その給料、手当(退職手当を除く。)及び旅費は、当該職員の派遣を受けた普通地方公共団体の負担とし、退職手当及び退職年金又は退職一時金は、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の負担とする。ただし、当該派遣が長期間にわたることその他の特別の事情があるときは、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体及びその求めに応じて当該職員の派遣をしようとする普通地方公共団体の長又は委員会若しくは委員の協議により、当該派遣の趣旨に照らして必要な範囲内において、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体が当該職員の退職手当の全部又は一部を負担することとすることができる。

3 普通地方公共団体の委員会又は委員が、第一項の規定により職員の派遣を求め、若しくはその求めに応じて職員を派遣しようとするとき、又は前項ただし書の規定により退職手当の負担について協議しようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。

4 第二項に規定するもののほか、第一項の規定に基づき派遣された職員の身分取扱いに関しては、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の職員に関する法令の規定の適用があるものとする。ただし、当該法令の趣旨に反しない範囲内で政令で特別の定めをすることができる。

第二百五十五条の二 法定受託事務に係る次の各号に掲げる処分及びその不作為についての審査請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める者に対してするものとする。この場合において、不作為についての審査請求は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該各号に定める者に代えて、当該不作為に係る執行機関に対してすることもできる。

 一 都道府県知事その他の都道府県の執行機関の処分 当該処分に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣

 二 市町村長その他の市町村の執行機関(教育委員会及び選挙管理委員会を除く。)の処分 都道府県知事

 三 市町村教育委員会の処分 都道府県教育委員会

 四 市町村選挙管理委員会の処分 都道府県選挙管理委員会

2 普通地方公共団体の長その他の執行機関が法定受託事務に係る処分をする権限を当該執行機関の事務を補助する職員若しくは当該執行機関の管理に属する機関の職員又は当該執行機関の管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分に係る審査請求につき、当該委任をした執行機関が裁決をしたときは、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該裁決に不服がある者は、再審査請求をすることができる。この場合において、当該再審査請求は、当該委任をした執行機関が自ら当該処分をしたものとした場合におけるその処分に係る審査請求をすべき者に対してするものとする。

問題25 国家行政組織法の条文

第1条 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で〔 ア 〕及びデジタル庁以外のもの((以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もって国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする

第3条第1項 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。
同第2項 行政組織のために置かれる国の行政機関は、省、〔 イ 〕及び庁とし、その設置及び廃止は、別に〔 ウ 〕の定めるところによる。
同第3項 省は、内閣の統轄の下にある第5条第1項の規定により各省大臣の〔 エ 〕する行政事務及び同条第2項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、〔 イ 〕及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

第5条1項 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を〔 エ 〕する。
同第2項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を〔 エ 〕するほか、それぞれ、その〔 エ 〕する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。
同第3項 各省大臣は、国務大臣のうちから、〔 オ 〕が命ずる。(以下略)

〔 ア 〕〇内閣府 

〔 イ 〕〇委員会 ×内部部局

〔 ウ 〕〇法律 ×政令

〔 エ 〕〇分担管理 ×所轄

〔 オ 〕〇内閣総理大臣 ×内閣

■ 国家行政組織法

(目的)

第一条 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で内閣府及びデジタル庁以外のもの(以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。

(組織の構成)

第二条 国家行政組織は、内閣の統轄の下に、内閣府及びデジタル庁の組織と共に、任務及びこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。

2 国の行政機関は、内閣の統轄の下に、その政策について、自ら評価し、企画及び立案を行い、並びに国の行政機関相互の調整を図るとともに、その相互の連絡を図り、全て、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。内閣府及びデジタル庁との政策についての調整及び連絡についても、同様とする。

(行政機関の設置、廃止、任務及び所掌事務)

第三条 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。

2 行政組織のため置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、別に法律の定めるところによる。

3 省は、内閣の統轄の下に第五条第一項の規定により各省大臣の分担管理する行政事務及び同条第二項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、委員会及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

4 第二項の国の行政機関として置かれるものは、別表第一にこれを掲げる。

(行政機関の長)

第五条 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を分担管理する。

2 各省大臣は、前項の規定により行政事務を分担管理するほか、それぞれ、その分担管理する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。

3 各省大臣は、国務大臣のうちから、内閣総理大臣が命ずる。ただし、内閣総理大臣が自ら当たることを妨げない。

問題26 国籍と住民としての地位

3 〇
公の施設の利用関係については、日本国籍を有しない住民についても、不当な差別的な取り扱いをしてはならない。

■ 地方自治法

第十二条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関するものを除く。)の制定又は改廃を請求する権利を有する。

2 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の事務の監査を請求する権利を有する。

(公の施設)

第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。

2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。

3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。

問題27 虚偽表示の無効を対抗できない善意の第三者

1 ×
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bは当該土地上に建物を建築し、これを善意のCに賃貸した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

・Cは虚偽表示の第三者にあたらない

2 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bが当該土地を悪意のCに譲渡し、さらにCが善意のDに譲渡した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をDに対抗できない。

3 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bは善意の債権者Cのために当該土地に抵当権を設定した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

・Aの無効の主張を認めると、善意の第三者であるCの物権取得が否定されることになる

4 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bの債権者である善意のCが、当該土地に対して差押えを行った。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

5 〇
AはBと通謀してAのCに対する指名債権をBに仮装譲渡したところ、Bは当該債権を善意のDに譲渡した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をDに対抗できない。

判例「土地の仮装譲受人から右土地上の建物を賃借した者と民法94条2項所定の第三者」

「土地の仮装譲受人からその建築にかかる右土地上の建物を賃借した者は、民法94条2項所定の第三者にはあたらない。」

「土地の仮装譲受人が右土地上に建物を建築してこれを他人に賃貸した場合、右建物賃借人は、仮装譲渡された土地については法律上の利害関係を有するものとは認められないから、民法94条2項所定の第三者にはあたらない(後略)」

(最判昭和57年6月8日)

判例「不動産の所有者が他人名義を使用して不実の登記を経由した場合における民法94条2項の類推適用」

「不動産の所有者甲が、乙にその所有権を移転する意思がないのに、乙名義を使用して他からの所有権移転登記を受けたときは、右登記について乙の承諾がない場合においても、民法94条2項を類推適用して、甲は、乙が不動産の所有権を取得しなかつたことをもつて、善意の第三者に対抗することができないものと解すべきである。」

「登記名義人の承諾の有無により、真実の所有者の意思に基づいて表示された所有権帰属の外形に信頼した第三者の保護の程度に差等を設けるべき理由はないからである。」

(最判昭和45年7月24日)

判例「未登記建物の所有者においてその建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを承認していた場合と民法94条2項の類推適用」

「未登記建物の所有者は、その建物が固定資産課税台帳上他人の所有名義で登録されていることを知りながら、これを明示または黙示に承認していた場合には、民法94条2項の類推適用により、右名義人が所有権を有しないことを善意の第三者に対抗することができない。」

「固定資産課税台帳は、本来課税のために作成されるものではあるが、未登記建物についての同台帳上の所有名義は、建物の所有権帰属の外形を表示するものとなつているのであるから、この外形を信頼した善意の第三者は右と同様の法理によつて保護されるべきものと解するのが相当である。」

(最判昭和48年6月28日)

■ 民法

(虚偽表示)

第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

指名債権とは、債権者が特定しており、債権の発生や行使に書面を必要としないものをいう。通常、契約等で成立する債権は、この指名債権にあたる。これに対して、債権の成立や行使に証券が必要となるものとして、指図債権、無記名債権がある。指図債権は、証券に指定された者、又はその者に指図された者に弁済がなされる債権で、小切手や手形がこれにあたる。無記名債権は、証券面に特定の権利者名はなく、証券の正当な所持人に弁済がなされる。商品券や、劇場入場券がこれにあたる。

AI による概要
指名債権(しめいさいけん)とは、債権者が特定されている通常の債権のことで、売主が買主に持つ売掛金債権や、家主が借家人に持つ家賃債権などが該当し、債権の発生や譲渡には証券(書面)が不要なのが特徴です。これは、特定の所持人が権利を行使できる無記名債権(商品券など)や、証券上の指図で権利を行使する指図債権(手形・小切手など)と区別される概念で、民法では指名債権の譲渡について詳細な規定が置かれていますが、2020年の民法改正で「指名債権」という呼称は「債権」に統一され、証券的債権の規定は廃止されました。

問題28 占有権

1 〇
Aが所有する動産甲(以下「甲」という。)の保管をAから委ねられ占有しているBが、甲を自己の物と称してCに売却した場合、甲に対するCの即時取得の成立要件について、占有開始におけるCの平穏、公然、善意および無過失は推定される。

3 〇
Aが所有する丙土地を無権利者であるBがCに売却し、Cが所有権を取得したものと信じて丙の占有を開始した場合、Aから本権の訴えがないときは、Cは、丙を耕作することによって得た収穫物を取得することができる。

4 〇
Aが所有する動産丁を保管することをBに寄託し、これに基づいてBが丁を占有していたところ、丁をCに盗取された場合、Bは、占有回収の訴えにより、Cに対して丁の返還を請求することができる。

5 〇
Aが所有する動産戊を保管することをBに寄託し、これをBに引き渡した後、Aは戊をCに譲渡した場合、Aが、Bに対して以後Cの所有物として戊を占有するよう指示し、Cが、これを承諾したときは、戊についてAからCへの引渡しが認められる。

判例「民法第192条にいう「過失ナキ」ことの立証責任」

「民法第192条により動産の上に行使する権利を取得したことを主張する占有者は、同条にいう「過失ナキ」ことを立証する責任を負わない。」

「「過失なきとき」とは、物の譲渡人である占有者が権利者たる外観を有しているため、その譲受人が譲渡人にこの外観に対応する権利があるものと誤信し、かつこのように信ずるについて過失のないことを意味するものであるが、およそ占有者が占有物の上に行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(民法188条)、譲受人たる占有取得者が右のように信ずるについては過失のないものと推定され、占有取得者自身において過失のないことを立証することを要しないものと解すべきである。」

(最判昭和41年6月9日)

判例「民法186条1項の所有の意思の推定が覆される場合」

「民法186条1項の所有の意思の推定は、占有者がその性質上所有の意思のないものとされる権原に基づき占有を取得した事実が証明されるか、又は占有者が占有中、真の所有者であれば通常はとらない態度を示し、若しくは所有者であれば当然とるべき行動に出なかつたなど、外形的客観的にみて占有者が他人の所有権を排斥して占有する意思を有していなかつたものと解される事情が証明されるときは、覆される。」

(最判昭和58年3月24日)

■ 民法

(善意の占有者による果実の取得等)

第百八十九条 善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。

2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。

(占有回収の訴え)

第二百条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。

2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

盗取(とうしゅ)

戊(ぼ)

「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」は十干(じっかん)と呼ばれる、古代中国から伝わる10種類の記号

甲 こう
乙 おつ
丙 へい
丁 てい
戊 ぼ
己 き
庚 こう
辛 しん
壬 じん
癸 き

問題29
 機械部品の製造販売を行うAは、材料供給者Bと継続的取引関係を結ぶにあたり、A所有の甲土地に、極度額5,000万円、被担保債権の範囲を「BのAに対する材料供給にかかる継続的取引関係から生じる債権」とする第1順位の根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)をBのために設定してその旨を登記した。その後、AはCから事業資金の融資を受け、その債務の担保として甲土地に第2順位の普通抵当権をCのために設定した。

1 〇
本件根抵当権について元本確定期日が定められていない場合、Aは、根抵当権の設定から3年が経過したときは元本確定を請求することができ、Bは、いつでも元本確定を請求することができる。

・根抵当権設定者は、根抵当権を設定した時点から3年を過ぎれば元本の確定を請求できる

2 〇
本件根抵当権について元本確定前に被担保債権の範囲を変更する場合、Cの承諾は不要であるが、その変更について元本確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。

・元本の確定前に債権の範囲を変更する場合、第三者の承諾は不要

3 〇
本件根抵当権について元本が確定した後、当該確定した元本の額が極度額に満たない場合には、Aは、Bに対して、極度額を法の定める額に減額することを請求することができる。

4 ×
本件根抵当権について元本が確定した後、当該確定した元本の額が極度額に満たない場合には、Bは、当該確定した元本に係る最後の2年分の利息、損害金については、極度額を超えても、本件根抵当権を行使して優先弁済を受けることができる。

・根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するのであり、極度額を超えて優先弁済を受けることはできない

5 〇
本件根抵当権について元本が確定する前に、BがAに対して有する材料供給にかかる債権の一部をDに譲渡した場合、当該債権譲渡の対抗要件を具備していても、Dは、当該譲渡された債権について根抵当権を行使することはできない。

・元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない

■ 民法

(根抵当権の被担保債権の範囲)

第三百九十八条の三 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。

2 債務者との取引によらないで取得する手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権を根抵当権の担保すべき債権とした場合において、次に掲げる事由があったときは、その前に取得したものについてのみ、その根抵当権を行使することができる。ただし、その後に取得したものであっても、その事由を知らないで取得したものについては、これを行使することを妨げない。

 一 債務者の支払の停止

 二 債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て

 三 抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え

問題30 
 Aは、BにCから贈与を受けた動産甲を売却する旨の契約(以下「本件契約」という。)をBと締結したが、引渡し期日が過ぎても動産甲の引渡しは行われていない。

5 〇
Aが本件契約に基づき動産甲をBのもとに持参して引き渡そうとしたが、Bがその受領を拒んだ場合、その後にA・B双方の責めに帰すことができない事由によって甲が滅失したときは、Bは、本件契約の解除をすることも、Aから代金支払請求を拒絶することもできない。

AI による概要
履行補助者(りこうほじょしゃ)とは、債務者が契約上の義務を果たす(履行する)際に、その手足となって補助する第三者を指し、債務者(例:会社)が使用する従業員や下請け業者などが該当します。履行補助者の故意や過失によって債務不履行が発生した場合、債務者自身がその責任を負うというのが「履行補助者の理論」として確立されており、これは債務不履行責任の重要な考え方です。

■ 民法

(履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由)

第四百十三条の二 債務者がその債務について遅滞の責任を負っている間に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債務者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。

2 債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす。

問題31 債務不履行を理由とする契約の解除

5 〇
売買契約において、買主が代金の一部の支払を遅延した場合、売主が相当の期間を定めてその支払の催告をし、その期間内に買主が代金を完済しなかったとしても、その時点における代金額の不足が軽微であるときは、売主の売買契約の解除が制限されることがある。

判例「賃貸借契約の当時者の一方に著しい不信行為があつた場合の契約の解除と催告の要否」

「賃貸借は当時者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約であるから、賃貸借の継続中に、当事者の一方に、その義務に違反し信頼関係を裏切つて、賃貸借関係の継続を著しく困難ならしめるような不信行為のあつた場合には、相手方は、民法第541条所定の催告を要せず、賃貸借を将来に向つて解除することができるものと解すべきである。」

(最判昭和27年4月25日)

判例「売買契約が民法561条により解除された場合と目的物の引渡を受けていた買主の使用利益返還義務」

「売買契約に基づき目的物の引渡を受けていた買主は、民法561条により右契約を解除した場合でも、原状回復義務の内容として、解除までの間目的物を使用したことによる利益を売主に返還しなければならない。」

「解除によつて売買契約が遡及的に効力を失う結果として、契約当事者に該契約に基づく給付がなかつたと同一の財産状態を回復させるためには、買主が引渡を受けた目的物を解除するまでの間に使用したことによる利益をも返還させる必要があるのであり、売主が、目的物につき使用権限を取得しえず、したがつて、買主から返還された使用利益を究極的には正当な権利者からの請求により保有しえないこととなる立場にあつたとしても、このことは右の結論を左右するものではないと解するのが、相当だからである。」

(最判昭和51年2月13日)

■ 民法

(催告による解除)

第五百四十一条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

問題32
 Aは、Bとの間でA所有の甲建物の賃貸借契約を締結し、甲建物を引渡したが、その後、Aは、同建物をCに譲渡した。Aは、同賃貸借契約締結時にBから敷金を提供され、それを受け取っていた。

1 〇
甲建物についてのAのBに対する賃貸人たる地位は、Bの承諾を要しないで、AとCとの合意により、Cに移転させることができる

2 〇
甲建物の譲渡によるCへの賃貸人たる地位の移転は、甲建物についてAからCへの所有権移転登記をしなければ、Bに対抗することができない。

3 〇
AとCが甲建物の賃貸人たる地位をAに留保する旨の合意および甲建物をCがAに賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位はCに移転しない。

・不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない(民法605条の2第2項前段)

4 ×
賃貸人たる地位がCに移転した場合、Bは、Cの承諾を得なければ、甲建物の賃借権を譲り渡すことはできないが、甲建物を転貸するときは、Cの承諾を要しない。

・転貸するときもCの承諾が必要

5 〇
賃貸人たる地位がCに移転した場合、敷金の返還に係る債務はCに承継され、CがBに対し、その債務を負う。

■ 民法

(不動産の賃貸人たる地位の移転)

第六百五条の二 前条、借地借家法(平成三年法律第九十号)第十条又は第三十一条その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する。

2 前項の規定にかかわらず、不動産の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない。この場合において、譲渡人と譲受人又はその承継人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。

3 第一項又は前項後段の規定による賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。

4 第一項又は第二項後段の規定により賃貸人たる地位が譲受人又はその承継人に移転したときは、第六百八条の規定による費用の償還に係る債務及び第六百二十二条の二第一項の規定による同項に規定する敷金の返還に係る債務は、譲受人又はその承継人が承継する。

(賃借権の譲渡及び転貸の制限)

第六百十二条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

問題33 法定利率

1 〇
利息付金銭消費貸借契約において、利息について利率の定めがなかったときは、利息の利率は借主が金銭を受け取った日の法定利率による。

・ただし、この利率は3年ごとに見直される(民法404条第3項)

3 〇
利息付金銭消費貸借契約において、利息について利率の定めがあったが遅延損害の額の定めがなかった場合に、当該利息の約定利率が法定利率より低かったときは、遅延損害の額は法定利率によって定める。

4 〇
不法行為に基づく損害賠償において、遅延損害金は、原則として不法行為時の法定利率によって定める。

5 〇
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。

判例「不法行為に基づく損害賠償債務の遅滞の時期」

「不法行為に基づく損害賠償債務は、なんらの催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥るものと解すべきである。」

(最判昭和37年9月4日)

■ 民法

(法定利率)

第四百四条 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。

2 法定利率は、年三パーセントとする。

3 前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

4 各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。

5 前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の六年前の年の一月から前々年の十二月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

問題34 不法行為

5 〇
路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の土地の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

■ 民法

(正当防衛及び緊急避難)

第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。

2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

AI による概要
民法における緊急避難(民法720条2項)とは、他人の物から生じた「急迫の危険」を避けるため、やむを得ずその物を損壊した場合に、損害賠償責任を負わないという制度です。例えば、凶暴な犬に襲われそうになり、逃げるために他人の家の窓を割って避難した場合など、刑法上の緊急避難(刑法37条)とは異なり、不法行為責任(損害賠償)が免除される点がポイントで、ただし損害賠償の請求を妨げない(受益者が損害を負担する)場合もあります。

■ 民法

(正当防衛及び緊急避難)

第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。

2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

問題35 相続

1 〇
系譜、祭具及び墳墓の所有権は、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときを除き、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。

判例「不法行為による慰藉料請求権は相続の対象となるか」

「不法行為による慰藉料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、相続の対象となる。」

「慰藉料請求権そのものは、財産上の損害賠償請求権と同様、単純な金銭債権であり、相続の対象となりえないものと解すべき法的根拠はなく(後略)」

(最大判昭和42年11月1日)

判例「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は遺産分割の対象となるか」

「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる。」

「上記各債権は,口座において管理されており,預貯金契約上の地位を準共有する共同相続人が全員で預貯金契約を解約しない限り,同一性を保持しながら常にその残高が変動し得るものとして存在し,各共同相続人に確定額の債権として分割されることはないと解される。(中略)

仮に同債権が相続により分割されると解したとしても,同債権には上記の制限がある以上,共同相続人は共同して全額の払戻しを求めざるを得ず,単独でこれを行使する余地はないのであるから,そのように解する意義は乏しい。」

(最判平成28年12月19日)

■ 民法

(祭祀に関する権利の承継)

第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

問題36 営業譲渡
 営業譲渡に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、営業を譲渡した商人を甲、営業を譲り受けた商人を乙とし、甲および乙は小商人ではないものとする。

5 〇
甲および乙が、乙に承継されない債務の債権者(残存債権者)である丙を害することを知りながら、無償で営業を譲渡した場合には、丙は、乙に対して、甲から承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

AI による概要
小商人(こしょうにん)とは、商法で定められた「営業のために使用する財産の価額が50万円を超えない商人」のことです。通常の商人(完全商人)に適用される商業登記、商号登記、商業帳簿作成義務など、商法の特定の規定が適用除外され、手続きが簡略化されるのが特徴です。

AI による概要
残存債権者とは、主に会社分割や事業譲渡の際に、承継会社(新会社)に引き継がれない債務を持つ債権者のことで、会社が債権者を害する目的で行った場合に、承継会社に対して債務の履行を請求できる権利を持つ特別な立場の人を指します(会社法23条の2など)。通常の会社分割では債権者保護が手薄になりがちなため、平成26年の法改正で保護規定が設けられましたが、知った時から2年以内などの時効・除斥期間があります。

■ 商法

(詐害営業譲渡に係る譲受人に対する債務の履行の請求)

第十八条の二 譲渡人が譲受人に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って営業を譲渡した場合には、残存債権者は、その譲受人に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。ただし、その譲受人が営業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。

2 譲受人が前項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、譲渡人が残存債権者を害することを知って営業を譲渡したことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。営業の譲渡の効力が生じた日から十年を経過したときも、同様とする。

3 譲渡人について破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、譲受人に対して第一項の規定による請求をする権利を行使することができない。

問題37 株式会社の設立における発行可能株式総数の定め等

ア 〇
発起設立において、発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、発起人は、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

イ ×
発起設立においては、発行可能株式総数を定款で定めている場合であっても、発起人は、株式会社の成立の時までに、その過半数の同意によって、発行可能株式総数についての定款を変更することができる。

・全員の同意が必要

ウ ×
募集設立において、発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、発起人は、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

・創立総会の決議によらなければならない

エ 〇
募集設立においては、発行可能株式総数を定款で定めている場合であっても、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、発行可能株式総数についての定款を変更することができる。

オ 〇
設立時発行株式の総数は、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合を除いて、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。

・公開会社の4倍規制(4倍ルール)

・公開会社では、取締役会が恣意的に株主比率を変更できないように(発行済総株式に対する株主の影響力が薄まらないように)、4倍ルールが存在する

■ 会社法

(発行可能株式総数の定め等)

第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

2 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。

3 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

(創立総会の決議による発行可能株式総数の定め)

第九十八条 第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

問題38 特別支配株主の株式売渡請求

1 〇
特別支配株主は、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社の他の株主(当該対象会社を除く。)の全員に対し、その有する当該対象会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。

・9割以上の議決権を有する株主(特別支配株主)が、少数株主を排除するときに、株主総会決議を経ずに売渡請求ができる制度

・結果が分かっているような株主総会を省略できるように法制化された

2 ×
株式売渡請求をしようとする特別支配株主は、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社に対し、株式売渡請求をする旨および対価として交付する金銭の額や売渡株式を取得する日等の一定の事項について通知し、当該対象会社の株主総会の承認を受けなければならない。

・取締役会の決議が必要

・非取締役会設置会社では、取締役の過半数の同意が必要

3 〇
株式売渡請求をした特別支配株主は、株式売渡請求において定めた取得日に、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社の株主が有する売渡株式の全部を取得する。

4 〇
売渡株主は、株式売渡請求が法令に違反する場合であって、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、特別支配株主に対し、売渡株式の全部の取得をやめることを請求することができる。

5 〇
株式売渡請求において定めた取得日において公開会社の売渡株主であった者は、当該取得日から6か月以内に、訴えをもってのみ当該株式売渡請求に係る売渡株式の全部の取得の無効を主張することができる。

■ 会社法

(対象会社の承認)

第百七十九条の三 特別支配株主は、株式売渡請求(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をする場合にあっては、株式売渡請求及び新株予約権売渡請求。以下「株式等売渡請求」という。)をしようとするときは、対象会社に対し、その旨及び前条第一項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければならない。

2 対象会社は、特別支配株主が株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求をしようとするときは、新株予約権売渡請求のみを承認することはできない。

3 取締役会設置会社が第一項の承認をするか否かの決定をするには、取締役会の決議によらなければならない。

4 対象会社は、第一項の承認をするか否かの決定をしたときは、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。

問題39 公開会社における株主総会
 定款に別段の定めはなく、かつ、株主総会の目的である事項の全部または一部について議決権を有しない株主はいないものとする。

1 〇
総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。

2 〇
総株主の議決権の100分の1以上の議決権または300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間前までに、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。

3 〇
株主は、株主総会において、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令もしくは定款に違反する場合または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。

・総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない

4 ×
総株主の議決権の100分の1以上の議決権を6ヵ月前から引き続き有する株主は、株主総会に係る招集の手続および決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、取締役に対し、検査役を選任すべきことを請求することができる。

・検査役の選任の申し立ては、裁判所に対して行う

5 〇
取締役、会計参与、監査役および執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由があるとして法務省令で定める場合は、この限りでない。

・議決権を有しない株主

AI による概要
議決権を有しない株主とは、無議決権株式(配当や残余財産分配で優遇されるが議決権がない種類株式)の保有者や、単元未満株式の保有者、自己株式(会社が自ら保有する株)、相互保有株式(持ち合い株)などで、株主総会で議決権を行使できない株主を指します。これは、経営への関与を望まない投資家向けや、会社の支配権維持、資本の空洞化防止などの目的で利用されます。

■ 会社法

(株主総会の招集手続等に関する検査役の選任)

第三百六条 株式会社又は総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。

2 公開会社である取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」と、「有する」とあるのは「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する」とし、公開会社でない取締役会設置会社における同項の規定の適用については、同項中「株主総会において決議をすることができる事項」とあるのは、「第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項」とする。

3 前二項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。

4 裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。

5 第三項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。

6 裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第三項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。

7 第三項の検査役は、第五項の報告をしたときは、株式会社(検査役の選任の申立てをした者が当該株式会社でない場合にあっては、当該株式会社及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。

問題40 会計参与

ウ 〇
会計参与は、株主総会の決議によって選任する。

エ 〇
会計参与は、公認会計士もしくは監査法人または税理士もしくは税理士法人でなければならない。

オ ×
会計参与は、すべての取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

・会計参与は、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書について、取締役会の承認を受けなければならない場合に、取締役会に出席しなければならない

・会計参与を置いてはならない、という条文は存在しない

・大会社には、必ず会計監査人を置かなければならない

■ 会社法

(選任)

第三百二十九条 役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。

2 監査等委員会設置会社においては、前項の規定による取締役の選任は、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別してしなければならない。

3 第一項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この項において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。

(会計参与の資格等)

第三百三十三条 会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならない。

2 会計参与に選任された監査法人又は税理士法人は、その社員の中から会計参与の職務を行うべき者を選定し、これを株式会社に通知しなければならない。この場合においては、次項各号に掲げる者を選定することはできない。

3 次に掲げる者は、会計参与となることができない。

 一 株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人

 二 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者

 三 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第四十三条の規定により同法第二条第二項に規定する税理士業務を行うことができない者

問題41
 〔 ア 〕の争訟は、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られるとする当審の判例
(引用略)に照らし、地方議会議員に対する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが、①②の要件を満たす以上、〔 ア 〕の争訟に当たることは明らかであると思われる。
 〔 ア 〕の争訟については、憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障されており、また、〔 ア 〕の争訟について裁判を行うことは、憲法76条1項により司法権に課せられた義務であるから、本来、司法権を行使しないことは許されないはずであり、司法権に対する〔 イ 〕制約があるとして司法審査の対象外とするのは、かかる例外を正当化する〔 ウ 〕の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。
 国会については、国権の最高機関(憲法41条)としての〔 エ 〕を憲法が尊重していることは明確であり、憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲法55条)、議員が議院で行った演説、討論又は表決についての院外での免責規定を設けている(51条)。しかし、地方議会については、憲法55条や51条のような規定は設けておらず、憲法は、〔 エ 〕の点において、国会と地方議会を同視していないことは明らかである。(最大判令和2年11月25日民集74巻8号2229頁、宇賀克也裁判官補足意見)

〔 ア 〕〇法律上

〔 イ 〕〇外在的

〔 ウ 〕〇憲法上

〔 エ 〕〇自律性 ×権能

■ 日本国憲法

第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。

第四十一条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

第五十一条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。

第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
第二項 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
第三項 すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。

問題42
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(行政機関情報公開法)に基づき、行政機関の長に対して、当該行政機関が保有する〔 ア 〕の開示が請求された場合、当該行政機関の長は、当該〔 ア 〕の開示又は不開示の決定(開示決定等)をしなければならない。
 開示決定等は、行政手続法上の〔 イ 〕であるから、同法の定めによれば、当該行政機関の長は、不開示決定(部分開示決定を含む。)をする場合、原則として、開示請求者に対し、同時に当該決定の〔 ウ 〕を示さなければならない。
 開示決定等に不服がある者は、行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる。審査請求に対する裁決すべき行政機関の長は、原則として、〔 エ 〕に諮問しなければならない(当該行政機関の長が会計検査院長である場合を除く)。〔 エ 〕は、必要があると認めるときは、諮問をした行政機関の長(諮問庁)に対し、〔 ア 〕の提示を求めることができ、諮問庁は、これを拒むことができない。この審査請求においては、処分庁は、当初に示された〔 ウ 〕と異なる〔 ウ 〕を主張することもできる。

〔 ア 〕〇行政文書

〔 イ 〕〇申請に対する処分

〔 ウ 〕〇理由

〔 エ 〕〇情報公開・個人情報保護審査会 ×情報公開委員会

■ 行政機関の保有する情報の公開に関する法律

(開示請求権)

第三条 何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(前条第一項第四号及び第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下同じ。)に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。

(審査会への諮問)

第十九条 開示決定等又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長が会計検査院の長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。

 一 審査請求が不適法であり、却下する場合

 二 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る行政文書の全部を開示することとする場合(当該行政文書の開示について反対意見書が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定により諮問をした行政機関の長は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

 一 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この項及び次条第一項第二号において同じ。)

 二 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

 三 当該審査請求に係る行政文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

問題43
 国家補償制度は、国家賠償と損失補償によって構成されるが、両者のいずれによっても救済されない問題が存在する。公務員の〔 ア 〕の違法行為による被害は、国家賠償法の救済の対象とはならず、他方、憲法29条3項によって求められる損失補償は、〔 イ 〕以外の権利利益についての被害には及ばないと考えられるからである。この救済の空白地帯は「国家補償の谷間」と呼ばれている。
 「国家補償の谷間」の典型事例は予防接種による副反応被害である。この事例を損失補償により救済するアプローチは、〔 イ 〕よりも重要な利益である生命・身体の利益は、当然に憲法29条3項に規定する損失補償の対象とする〔 ウ 〕解釈によって救済を図ろうとする。
 これに対して、国家補償による救済のアプローチをとる場合、予防接種の性質上、予診を尽くしたとしても、接種を受けることが適切でないもの(禁忌者)を完全に見分けることが困難であり、医師による予診を初めとする公務員の行為は〔 ア 〕とされる可能性が残る。この点について、最高裁判所昭和51年9月30日判決は、予防接種により重篤な副反応が発生した場合に、担当医師がこうした結果を予見しえたのに、過誤により予見しなかったものと〔 エ 〕することで、実質的に、自らが〔 ア 〕であることの立証責任を国側に負わせることで救済を図った。

〔 ア 〕〇無過失

〔 イ 〕〇財産権

〔 ウ 〕〇勿論

〔 エ 〕〇推定 ×証明

■ 日本国憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。 財産権は、これを侵してはならない。

問題44 記述式
 開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものあるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。
 このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
 建築基準法
  (違反建築物に対する措置)
 第9条 特定行政庁は、建築基準法例の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施行の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

正解例

B市を被告として重大な損害が生じるおそれがあると主張し、是正命令の義務付け訴訟を提起する。(45字

B市を被告として、重大な損害が生ずるおそれがあるものと主張し、義務付け訴訟を起こす。(42字)

B市を被告として、重大な損害を生じるおそれがあると主張し、是正命令の義務付け訴訟を起こす。(45字)

■ 行政事件訴訟法

(義務付けの訴えの要件等)

第三十七条の二 第三条第六項第一号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。

2 裁判所は、前項に規定する重大な損害を生ずるか否かを判断するに当たつては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。

3 第一項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。

4 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。

5 義務付けの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え若しくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。

(取消訴訟に関する規定の準用)

第三十八条 第十一条から第十三条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条、第三十三条及び第三十五条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。

2 第十条第二項の規定は、処分の無効等確認の訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟とを提起することができる場合に、第二十条の規定は、処分の無効等確認の訴えをその処分についての審査請求を棄却した裁決に係る抗告訴訟に併合して提起する場合に準用する。

3 第二十三条の二、第二十五条から第二十九条まで及び第三十二条第二項の規定は、無効等確認の訴えについて準用する。

4 第八条及び第十条第二項の規定は、不作為の違法確認の訴えに準用する。

問題45 記述式
 Aが所有する甲不動産について、Aの配偶者であるBが、Aから何ら代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの代理人と称して甲不動産をCに売却する旨の本件売買契約を締結した後、Bば死亡してAが単独で相続するに至った。CがAに対して、売主として本件売買契約を履行するよう求めた場合に、Aは、これを拒みたいと考えているが、認められるか。民法の規定および判例に照らし、その許否につき理由を付して40字程度で記述しなさい。

正解例

無権代理人を相続した本人が無権代理行為の追認を拒絶しても信義則に反しないため、認められる。(44字)

AがBの無権代理行為の追認を拒絶しても何ら信義に反しないので、履行を拒むことができる。(43字)

Aは、本件売買契約の追認を拒絶しても、何ら信義に反しないから、履行を拒むことが認められる。(45字)

判例「本人が無権代理人を相続した場合における無権代理人行為の効力」

「本人が無権代理人の家督を相続した場合、被相続人の無権代理行為は、右相続により当然には有効となるものではない。」

「後者の場合においては、相続人たる本人が被相続人の無権代理行為の追認を拒絶しても、何ら信義に反するところはないから、被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではないと解するのが相当である。」

(最判昭和37年4月20日)

問題46 記述式
 Aは工場を建設するため、Bから、Bが所有する甲土地(更地)を、賃貸借契約締結の日から賃借期間30年と定めて賃借した。ただし、甲土地の賃借権の登記は、現在に至るまでされていない。ところが、甲土地がBからAに引き渡される前に、甲土地に何らの権利も有しないCが、AおよびBに無断で、甲土地に塀を設置したため、Aは、甲土地に立ち入って工場の建設工事を開始することができなくなった。そこで、Aは、Bに対応を求めたが、Bは何らの対応もしないまま現在に至っている。Aが甲土地に工場の建設工事を開始するために、Aは、Cに対し、どのような請求をすることができるか。民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。

正解例1 Aは、Cに対し、

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、塀の撤去及び損害賠償を請求することができる。(44字)

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、塀の撤去を請求することができる。(38字)

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使し、塀の撤去および損害賠償を請求することができる。(46字)

Bの所有権に基づく妨害排除請求権の代位行使により、塀の撤去を請求することができる。(41字)

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使して、塀の撤去を請求することができる。(40字)

問題47 ロシア・旧ソ連の外交・軍事

5 〇
1980年代前半は新冷戦が進行したがソ連の最高指導者ゴルバチョフは新思考外交を展開し、1989年の米ソ両首脳のマルタ会談において、東西冷戦の終結が宣言された。

・クリミア戦争 1853年~1856年

クリミア半島を戦場とした、実質ロシア対フランス・イギリス連合軍(オスマン朝トルコを支援する形で参戦)の争い。

クリミア戦争を経て、1856年パリ講和会議にてパリ条約が締結された。

・ウィーン体制 19世紀

19世紀ヨーロッパにおける国際的体制で、フランス革命・ナポレオン戦争で荒廃混乱したヨーロッパを革命前の絶対王政に戻すためのもの。比較的長期の安定をもたらした。

・第二次ロシア革命 1917年

第一次大戦末期の1917年にロシアで起こった。ロシアは皇帝による君主制であったが、ロシア革命により史上初の社会主義国家であるソビエト連邦樹立につながった。

・名誉革命 1688年~1689年

イギリスで起こったクーデター事件。イギリスの議会が国王ジェームズ2世を追放し、政治体制を刷新した。

・スウェーデンの立場

スウェーデンの「中立政策」は、19世紀(1834年)に国王カール14世によって宣言された。

1939年 8月23日 独ソ不可侵条約締結
1939年 9月1日 ドイツがポーランド侵攻(第二次世界大戦勃発)
1939年 9月17日 ソ連がポーランド侵攻
1939年 11月30日 ソ連がフィンランド侵攻
1940年 6月 ソ連がバルト三国に侵攻
1941年 4月13日 日ソ中立条約締結
1945年 9月2日 第二次世界大戦終結(日本が降伏文書に署名)

・独ソ不可侵条約締結 1939年

ナチス・ドイツとソビエト連邦の間に締結された軍事同盟。秘密協定でポーランドの分割、バルト三国のソ連による占領を承認した。

・日ソ中立条約締結 1941年

日本とソ連が結んだ領土保全と不侵略を相互に約束した条約。1945年4月にソ連は不延長を通告、8月8日破棄、満州に侵攻した。

・社会主義インターナショナル 1951年創設

民主社会主義や社会民主主義を掲げる政党の国際組織。本部はロンドンにあり、日本は社会民主党が加盟している。

・キューバ危機 1962年

キューバにソ連の核ミサイル基地が建設されていることが分かり、アメリカが、直ちにカリブ海でキューバを海上封鎖し、一触即発の状態に陥った。アメリカ合衆国ケネディ大統領と、ソビエト連邦フルシショフ第一書記とで書簡を交わし、最終的にソ連が核ミサイルを撤去した。

・マルタ会談 1989年

1989年12月2日から12月3日にかけて、地中海のマルタで行われた、アメリカ合衆国ジョージ・H・W・ブッシュ大統領と、ソビエト連邦ミハイル・ゴルバチョフ書記長による首脳会談。44年間続いた東西冷戦が終結した。

問題48 ヨーロッパの国際組織

ウ 〇
ヨーロッパにおける人権保障、民主主義、法の支配の実現を目的とした国際機関を欧州評議会(Council of Europe)という。

オ 〇
欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国が欧州連合(EU)に加盟せずにヨーロッパの市場に参入することができるよう作られた仕組みを欧州経済領域(EEA)という。

・EEC(欧州経済共同体) 1958年設立

ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダとの間での経済統合を実現することを目的とする国際機関。

EEC設立後、1965年欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)と、欧州原子力共同体(Euratom)とともに、欧州共同体(EC)に統合され、1993年欧州連合(EU)に発展。

・EU(欧州連合)

欧州連合条約に基づく、経済通貨同盟、共通外交・安全保障政策、警察・刑事司法協力等の、より広い分野での協力を進める政治・経済統合体。

経済・通貨同盟については、国家主権の一部を移譲。域外に対する統一的な通商政策を実施する世界最大の単一市場を形成。

その他の分野についても、加盟国の権限を前提としつつ、最大限EUとしての共通の立場を取ることで、政治的にも「一つの声」で発言している。

・Counsil of Europe(欧州評議会) 1949年設立

人権、民主主義、法の支配の分野で国際社会の基準策定を主導する汎欧州の国際機関として、1949年フランスのストラスブールに設立された。

CoEは、伝統的に、人権、民主主義、法の支配等の分野で活動しており、最近では薬物乱用、サイバー犯罪、人身取引、テロ対策、偽造医薬品対策、女性に対する暴力、子供の権利、AI等の分野にも取り組んでいる。

汎欧州

汎ヨーロッパ主義または汎欧州主義(はんヨーロッパしゅぎ、はんおうしゅうしゅぎ、英語: Pan-Europeanism)とは、欧州全体を一体的に捉え、1つに統合する、あるいは一体性を高めることを志向する思想のこと

・NATO(北大西洋条約機構)

第二次世界大戦後に設立された軍事的な同盟組織。

ヨーロッパが、ヨーロッパ外部からの攻撃に対して防衛するために設立された、集団防衛のシステム。

北米2ヵ国と欧州28ヵ国の計30ヵ国が加盟する政府間軍事同盟。

「集団防衛」「危機管理」「協調的安全保障」の3つを中核的任務としており、加盟国の領土及び国民を防衛することが最大の責務とされる。

・WEU(西欧同盟) 1948年署名

冷戦期における西ヨーロッパ諸国の間における防衛に関する合意事項をうたったブリュッセル条約の実行を使命としていた国際組織。

・EEA(欧州経済領域)

欧州経済共同体(EEC)と欧州自由貿易連合(EFTA)にまたがる経済領域。両者は、1972年に自由貿易協定を締結し、さらに1994年1月には、双方にまたがる広範な共同市場を目指す欧州経済領域(EEA)を発足させた。

問題49 軍備縮小(軍縮)

ア 〇
コスタリカには軍隊を持たないことを憲法に明記し、フィリピンは非核政策を憲法に明記している。

・コスタリカは、1949年に憲法で常備軍の廃止を明記。ただし、必要に応じて軍を臨時に設置することは法的に認められている

・フィリピンは、1987年に憲法で非核兵器条項を明記

イ 〇
対人地雷禁止条約* では、対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されている。

・対人地雷禁止条約(オタワ条約)

オ 〇
中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリアとソ連との間に結ばれた条約で、2019年に失効した。

・核拡散防止協約(NPT) 1963年 国連採択

核拡散防止協約(NPT)では、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5ヵ国を「核兵器国」と定めている。そして「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止を目的として1963年国連で採択された。

・1974年 佐藤栄作ノーベル賞受賞(非核三原則などの政策)

・中距離核戦力全廃条約(INF)

アメリカ合衆国とソビエト連邦の間で結ばれた軍縮条約の一つ。中距離核戦力として定義された中射程の弾道ミサイル、巡航ミサイルを全て廃棄することが目的。

2019年2月1日、アメリカが本条約の破棄をソ連の後継であるロシア連邦に通告。これを受けて、ロシア連邦も条約義務履行の停止を宣言。破棄通告から6カ月後の8月2日に失効。

問題50 郵便局

イ 〇
郵便局は郵便葉書などの信書の送達を全国一般で行っているが、一般信書郵便事業について許可を受けた民間事業者はいない。

エ 〇
郵便局では、簡易郵便のほか、民間他社の保険も取り扱っている。

オ 〇
郵便局内にあるゆうちょ銀行の現金自動預払機(ATM)では、硬貨による預金の預入れ・引出しの際に手数料を徴収している。

・郵便局の数 23,658か所(2022年10月)

・コンビニ店舗数 55,872店舗(2022年9月)

問題51
 「国内総生産(GDP)」は、国の経済規模を表す指標である。GDPは一国内で一定期間に生産された付加価値の合計であり、その国の経済力を表す。それに対し、その国の人々の生活水準を知るためには、GDPの値を人口で割った「1人当たりGDP」が用いられる。
 2022年4月段階での国際通貨基金(IMF)の推計資料によれば、世界のなかでGDPの水準が高い上位6か国を上げると、〔 ア 〕〔 イ 〕〔 ウ 〕〔 エ 〕〔 オ 〕〔 カ 〕の順となる。ところが、これら6か国を「1人当たりGDP」の高い順に並びかえると、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、中国、インドの順となる。

〔 ア 〕アメリカ

〔 イ 〕中国

〔 ウ 〕日本

〔 エ 〕ドイツ

〔 オ 〕インド

〔 カ 〕イギリス

・かつて大英帝国の植民地だったインドは、2021年10月~12月期に、名目GDPについて英国を上回り、世界5位の経済大国になった

・2023年の順位

〔 ア 〕アメリカ

〔 イ 〕中国

〔 ウ 〕ドイツ

〔 エ 〕日本

〔 オ 〕インド

〔 カ 〕イギリス

問題52 日本の森林・林業

ア 〇
日本の森林率は中国の森林率より高い。

エ 〇
荒廃する森林の保全のための財源確保に向けて、新たに森林環境税が国税として導入されることが決まった。

・令和6年度(2024年度)から、住民税に上乗せする形で1人年額1,000円を市町村が徴収する

・2020年の日本の森林率68.4%、中国23.3%

・中国は近年、砂漠化、洪水、土砂崩れ、渇水の頻発など、森林の持つ公益的機能の低下を背景に、急速な緑化を進めている

・日本の国有林は、森林面積の約3割

・2000年~2020年の日本の木材価格は、おおむね横ばい

・2021年(令和3年)、コロナの影響による輸入木材が不足し、スギ、ヒノキ等の製品価格が大幅に上昇した

・日本の木材自給率は、10年連続で上昇している

・2020年の木材自給率は、約40%

・木材輸入量は、1996年の9,045万立方メートルをピークに減少している

問題53 アメリカ合衆国における平等と差別

1 〇
黒人差別に抗議する公民権運動において中心的な役割を担ったキング牧師は、1963年に20万人以上の支持者による「ワシントン大行進」を指導した。

3 〇
2020年にミネアポリスで黒人男性が警察官によって殺害された後、人種差別に対する抗議運動が各地で広がった。

4 〇
人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪とする反リンチ法が、2022年に成立した。

5 〇
2022年に、ケンタジ・ブラウン・ジャクソンは、黒人女性として初めて連邦最高裁判所判事に就任した。

・歴代のアメリカ大統領に女性はいない

・2021年11月19日、バイデン大統領が内視鏡検査の麻酔のため、カマラ・ハリス副大統領に大統領権限が85分間以上された

問題54
 地球環境問題を解決するためには、国際的な協力体制が不可欠である。1971年には特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関して、〔 ア 〕が採択された。1972年に国連人間環境会議がスウェーデンのストックホルムで開催され、国際的に環境問題に取り組むための〔 イ 〕が決定された。しかし、石油危機後の世界経済の落ち込みにより、環境対策より経済政策が各国で優先され、解決に向けた歩みが進まなかった。
 それでも、1992年にブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、「持続可能な開発」をスローガンに掲げたリオ宣言が採択された。同時に、環境保全に向けての行動計画であるアジェンダ21、地球温暖化対策に関する〔 ウ 〕や、生物多様性条約なども採択された。その後、1997年の第3回〔 ウ 〕締約国会議(COP3)で〔 エ 〕が採択され、されに2015年の第21回〔 ウ 〕締約国会議(COP21)で〔 オ 〕が採択されるなど、取組が続けられている。

〔 ア 〕ラムサール条約

〔 イ 〕国連環境計画

〔 ウ 〕気候変動枠組条約

〔 エ 〕京都議定書

〔 オ 〕パリ協定

・ラムサール条約(Ramsar Convention)

湿地の保存に関する国際条約。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で、1971年2月2日制定、1975年12月21日発効。

・気候変動枠組条約(UNFCCC)

大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)の濃度を安定化させることを究極の目的とし、1992年5月採択、1994年3月発効。

・京都議定書

国連気候変動枠組条約の附属書I国(先進国)に対して、一定期間(約束期間)における温室効果ガス排出量の削減義務として、1990年比の削減目標を課している。
1997年12月の京都におけるCOP3で採択され、2005年2月発効。

・パリ協定

先進国、途上国の区別なく、全ての国が温室効果ガス排出削減等の気候変動の取組に参加する枠組み。2015年12月のパリにおけるCOP21で採択、2016年11月発効。

・COP

締約国会議(Conference of the Parties)の略称で、国連気候変動枠組条約締約国会議を指す。

1995年にCOP1がドイツのベルリンで開催された。新型コロナウイルス流行の影響で延期された2020年を除き、年に1回開かれている。(COPの後の数字は開催回)

問題55
 人工知能(AI)という言葉は定義が難しく、定まった見解はない。しかしながら、人間が従来担ってきた知的生産作業を代替する機能を有するコンピュータを指していると考えたい。例えば、〔 ア 〕や〔 イ 〕、翻訳や文章生成、さまざまなゲームのプレイ、各種の予測作業においてAIが利用されていることはよく知られている。すでに、社会生活のさまざまな場面でAI技術の応用が見られており、〔 ア 〕技術を用いた例として文字起こしサービスが、〔 イ 〕技術を用いた例として生体認証がある。

AIの発展の第一の背景として、コンピュータが予測を行うために利用する〔 ウ 〕が収集できるようになってきたことが挙げられる。第二に、コンピュータの高速処理を可能にする中央処理装置(CPU)の開発がある。第三に、新しいテクノロジーである〔 エ 〕の登場がある。従来の学習機能とは異なって、コンピュータ自身が膨大なデータを読み解いて、その中からルールや相関関係などの特徴を発見する技術である。これは人間と同じ〔 オ 〕をコンピュータが行うことに特徴がある。さらに、この〔 エ 〕が優れているのは、コンピュータ自身が何度もデータを読み解く作業を継続して学習を続け、進化できる点にある。

〔 ア 〕音声認識

〔 イ 〕画像認識

〔 ウ 〕ビッグデータ

〔 エ 〕ディープラーニング

〔 オ 〕帰納的推論

・帰納的な推論

前提から結論を導くが、それが絶対とは言い切れない推論。複数の出来事と、その結果から規則性を見つける。
経験的・感覚的。

・演繹的な推論

前提から必然的に結論が導かれる推論。一般論を使って出来事の結果を推測する。理論的。

AI による概要

帰納法は「複数の事実から共通点を見出し、一般論(結論)を導く」手法(例:A社はIT、B社もITで成長→IT企業は成長する) 。

演繹法は「確定的な大前提に個別の事実を当てはめ、論理的な結論を導く」手法(例:全ての人間は死ぬ+ソクラテスは人間=ソクラテスは死ぬ) 。前者は仮説立案に、後者は検証や戦略策定に有効です。

問題56 情報通信

ア 〇
自らに関する情報が利用される際に、ユーザ本人の許可を事前に得ておくシステム上の手続を「オプトイン」という。

イ 〇
インターネット上で情報発信したりサービスを提供したりするための基盤を提供する事業者を「プラットフォーム事業者」という。

・デジタルトランスフォーメーション(DX)

2004年にスウェーデンのウメオ大学エリック・ストルターマン教授が提唱した「情報技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。

日本におけるDXは、2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を取りまとめたことを契機に拡がり始めている。

定義として、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを指す。

例:デスクワークがメインの会社が、テレワークに対応するためにプロセスを見直す。ドローンによる遠隔監視や農薬散布など、農家人口減少や農業生産量の減少といった対策をする。

問題57 個人情報保護制度

5 〇
個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体に関する事務をつかさどる。

1975年 電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する条例として、全国で初めて東京都国立市で「国立市電子計算組織の運営に関する条例」が制定

1980年 OECDにて「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」が採択

1984年 電算処理に係るものだけではなく個人情報全般を保護する条例として、全国最初に、福岡県春日市で「春日市個人情報保護条例」が制定

1988年 「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」制定

1990年 神奈川県が都道府県における全国初の個人情報保護条例を制定

1999年 「住民基本台帳法の一部を改正する法律案」(改正住民基本台帳法)成立

2003年 個人情報保護法関連五法が成立

■ 個人情報の保護に関する法律

(所掌事務)

第百三十二条 委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。

 一 基本方針の策定及び推進に関すること。

 二 個人情報取扱事業者における個人情報の取扱い、個人情報取扱事業者及び仮名加工情報取扱事業者における仮名加工情報の取扱い、個人情報取扱事業者及び匿名加工情報取扱事業者における匿名加工情報の取扱い並びに個人関連情報取扱事業者における個人関連情報の取扱いに関する監督、行政機関等における個人情報、仮名加工情報、匿名加工情報及び個人関連情報の取扱いに関する監視並びに個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報の取扱いに関する苦情の申出についての必要なあっせん及びその処理を行う事業者への協力に関すること(第四号に掲げるものを除く。)。

 三 認定個人情報保護団体に関すること。

 四 特定個人情報(番号利用法第二条第九項に規定する特定個人情報をいう。)の取扱いに関する監視又は監督並びに苦情の申出についての必要なあっせん及びその処理を行う事業者への協力に関すること。

 五 特定個人情報保護評価(番号利用法第二十七条第一項に規定する特定個人情報保護評価をいう。)に関すること。

 六 個人情報の保護及び適正かつ効果的な活用についての広報及び啓発に関すること。

 七 前各号に掲げる事務を行うために必要な調査及び研究に関すること。

 八 所掌事務に係る国際協力に関すること。

 九 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき委員会に属させられた事務

投稿者 Ren Yababa

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です