木. 4月 16th, 2026

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以下、自分用

令和4年度

問題1 基礎法学
 ヨーロッパ大陸において、伝統的に〔 ア 〕制に対して消極的な態度がとられていることは知られるが、それはそこでの裁判観につながると考えられる。それによれば、裁判官の意見が区々に分かれていることを外部に明らかにすることは、裁判所の権威を害するとされる。〔 ア 〕制は、その先例としての力を弱めるのみではなく、裁判所全体の威信を減退すると考えられているようである。裁判所内部にいかに意見の分裂があっても、〔 イ 〕として力をもつ〔 ウ 〕のみが一枚岩のように示されることが、裁判への信頼を生むとされるのであろう。しかし、果たして外観上つねに〔 エ 〕の裁判の形をとり、異なる意見を抑えることが、裁判所の威信を高めることになるであろうか。英米的な考え方からすると、各裁判官に自らの意見を独自に述べる機会を与える方が、外部からみても裁判官の独立を保障し、司法の威信も増すともいえよう。ここには、大陸的な裁判観と英米的な裁判観のちがいがあるように思われる。(出典 伊藤正巳「裁判官と学者の間」1993から)

〔 ア 〕〇少数意見  ×合議
〔 イ 〕〇判例
〔 ウ 〕〇多数意見
〔 エ 〕〇全員一致

AI による概要
裁判における少数意見制(しょうすういけんせい)とは、最高裁判所などの合議体での多数決による判決に対し、多数意見とは異なる考えを持つ裁判官がその理由を裁判書に記載する制度で、日本では最高裁のみに義務付けられ、判決の多様な理解や将来の判例形成、裁判官の独立性を示す役割があり、反対意見(結論が異なる)、意見(理由が異なる)、補足意見(多数意見を補強)などの種類があります。

問題2 法律用語

イ 〇
「法律効果」とは、法律上の権利義務関係の変動(発生、変更または消滅)のことをいう。

エ 〇
「立法事実」とは、法律を制定する場合において、当該立法の合理性を根拠付ける社会的、経済的、政治的または科学的事実のことをいう。

オ 〇
「要件事実」とは、法律要件に該当する具体的な事実のことをいう。

問題3 表現の自由
 公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現の自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における行動である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあっても、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきである。(最一小判平成元年12月21日民集43巻12号2252頁)

5 〇(判断基準が想定している事例)
A市の公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xを厳しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償と謝罪広告を求めて出訴した。

問題4 経済的自由
 薬局を営むXは、インターネットを介した医薬品の通信販売を始めたが、法律は一定の種類の医薬品の販売については、薬剤師が対面で情報の提供および薬学的知見に基づく指導を行うことを求めている。そこでXは、この法律の規定が違憲であり、この種の医薬品についてもネットで販売する権利が自らあることを主張して出訴した。この問題に関する最高裁判所の判決の趣旨として、妥当なものはどれか。

2 〇
規制の合憲性を判断する際に問題となる種々の考慮要素を比較考量するのは、第一次的には立法府の権限と責務であり、規制措置の内容や必要性・合理性については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、裁判所はこれを尊重する。

問題5 適正手続

4 〇
不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ。

問題6 内閣の権限

4 〇
内閣総理大臣が欠けたとき、内閣は総辞職をしなければならないが、この場合の内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行う。

問題7 裁判の公開

3 〇
証人尋問の際に、傍聴人と証人との間で遮へい措置が採られても、審理が公開されていることに変わりはないから、裁判の公開に関する憲法の規定には違反しない。

問題8 公法上の権利の一身専属性
 最高裁判所昭和42年5月24日判決(いわゆる朝日訴訟判決)においては、生活保護を受給する地位は、一身専属のものであって相続の対象とはなりえず、その結果、原告の死亡と同時に当該訴訟は終了して、同人の相続人らが当該訴訟を承継し得る余地はないとされた。そして、この判決は、その前提として、〔 A 〕。
 その後も公法上の権利の一身専属性が問題となる事例が散見されたが、労働者等のじん肺に係る労災保険給付を請求する権利については最高裁判所平成29年4月6日判決が、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づく認定の申請がされた健康管理手当の受給権については最高裁判所平成29年12月18日判決が、それぞれ判断をしており、〔 B 〕。
 なお、この健康管理手当の受給権の一身専属性について、裁判所平成29年12月18日判決では、受給権の性質が〔 C 〕。

〔 A 〕

ア〇 生活保護法の規定に基づき、要保護者等が国から生活保護を受けるのは、法的効果であって、保護受給権とも称すべきものであるとしている。

イ× 生活保護法の規定に基づき、要保護者等が国から生活保護を受けるのは、国の恩恵ないし社会政策の実施に伴う反射的利益であるとしている。

〔 B 〕

エ〇 両判決ともに、権利の一身専属性を認めず、相続人による訴訟承継を認めた

〔 C 〕

〇カ 国家補償的性質を有することが、一身専属性が認められない根拠の一つになるとの考え方が示されている。

問題9 行政契約

イ ×
地方公共団体が必要な物品を売買契約により調達する場合、当該契約は民法上の契約であり、専ら民法が適用されるため、地方自治法には契約に関しての特別な手続は規定されていない。

ウ〇
水道事業者たる地方公共団体は、給水契約の申込みが、適正かつ合理的な供給計画によっては対応することができないものである場合には、水道法の定める「正当の理由」があるものとして、給水契約を拒むことができる。

オ〇
法令上、随意契約によることができない契約を地方公共団体が随意契約で行った場合であっても、当該契約の効力を無効としなければ法令の規定の趣旨を没却する結果となる特別の事情が存在しない限り、当該契約は私法上有効なものとされる。

AI による概要
随意契約(ずいいけいやく)とは、国や地方公共団体などが、競争入札(競り合い)を行わず、発注者が「任意(随意)」で特定の事業者を選んで契約を結ぶ方法のことです。原則は競争入札ですが、契約の性質上、緊急時、少額、秘密が必要な場合などに法令で認められた範囲でのみ適用され、「特命契約」とも呼ばれ、効率性や公平性のバランスが重要視されます。

問題10 行政調査

4 ×
国税通則法には、同法による質問検査権が犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと定められていることから、当該調査において取得した資料をその後に犯則事件の証拠として利用することは認められない。

5 〇
行政調査の実効性を確保するため、調査に応じなかった者に刑罰を科す場合、調査自体の根拠規定とは別に、刑罰を科すことにつき法律の明文の根拠規定を要する。

問題11 申請に対する処分

1 〇
行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努め、これを定めたときは、行政手続法所定の方法により公にしておかなければならない。

問題12 行政手続法が定める不利益処分の手続

3 〇
弁明の機会の付与は、処分を行うため意見陳述を要する場合で、聴聞によるべきものとして法が列挙している場合のいずれにも該当しないときに行われ、弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明書の提出により行われる。

4 ×
法が定める「聴聞」の節の規定に基づく処分またはその不作為に不服がある場合は、それについて行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる。

問題13 行政手続法が定める届出

1 〇
届出は、法の定めによれば、「行政庁に対し一定の事項の通知をする行為」であるが、「申請に該当するものを除く」という限定が付されている。

問題14 行政不服審査法の規定

1 ×
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に審査請求をすることができる場合には、行政不服審査法の定める例外を除き、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。

2 〇
行政不服審査法に基づく審査請求を審理した審理員は、審理手続を終結したときは、遅滞なく、審査庁がすべき裁決に関する意見書を作成し、速やかに、これを事件記録とともに、審査庁に提出しなければならない。

問題15 審理員に関する行政不服審査法の規定

2 〇
審理員は、職権により、物件の所持人に対し物件の提出を求めた上で、提出された当該物件を留め置くことができる。

問題16 行政不服審査法が定める教示

1 ×
処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合においては、それを書面でするか、口頭でするかにかかわらず、当該処分につき不服申立てをすることができる旨その他所定の事項を書面で教示しなければならない。

2 〇
処分庁が審査請求をすることができる処分をなす場合において、処分の相手方に対し、当該処分の執行停止の申立てをすることができる旨を教示する必要はない。

3 〇
処分庁は、利害関係人から、当該処分が審査請求をすることができる処分であるかどうかにつき書面による教示を求められたときは、書面で教示をしなければならない。

4 〇
処分をなすに際し、処分庁が行政不服審査法において必要とされる教示をしなかった場合、当該処分に不服がある者は、当該処分庁に不服申立書を提出することができる。

5 〇
審査庁は、再審査請求をすることができる裁決をなす場合には、裁決書に、再審査請求をすることができる旨並びに再審査請求をすべき行政庁および再審査請求期間を記載してこれらを教示しなければならない。

問題17 行政事件訴訟法

4 〇
「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当しない行為については、民事保全法に規定する仮処分をする余地がある。

5 ×
当事者訴訟については、具体的な出訴期間が行政事件訴訟法において定められているが、正当な理由があるときは、その期間を経過した後であっても、これを提起することができる。

問題18 抗告訴訟の対象

2 〇
都市計画区域内において用途地域を指定する決定は、地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課すものではあるが、その効果は、新たにそのような制約を課する法令が制定された場合と同様の当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なものにすぎず、当該地域内の個人の具体的な権利を侵害するものではないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しない。

3 〇
市町村の施行に係る土地区画整理事業計画の決定により、事業施行地区内の宅地所有者等は、所有権等に対する規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるため、当該計画の決定は、その法的地位に直接的な影響を及ぼし、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する。

4 〇
地方公共団体が営む水道事業に係る条例所定の水道料金を改定する条例の制定行為は、同条例が上記水道料金を一般的に改訂するものであって、限られた特定の者に対してのみ適用されるものではなく、同条例の制定行為をもって行政庁が法の執行として行う処分と実質的に同視することはできないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しない。

5 〇
特定の保育所の廃止のみを内容とする条例は、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所廃止の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童およびその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得る法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから、その制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができ、抗告訴訟の対象となる行政処分に該当する。

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟のことをいう。 行政事件訴訟法では、①処分の取消訴訟、②裁決の取消訴訟、③無効等確認訴訟、④不作為の違法確認訴訟、⑤義務付け訴訟、⑥差止訴訟の6種類が定められている。

問題19 行政事件訴訟法が定める処分無効確認訴訟

3 〇
無効確認訴訟は、処分の取消訴訟につき審査請求の前置が要件とされている場合においても、審査請求に対する裁決を経ずにこれを提起することができる。

5 ×
無効確認訴訟は、処分が無効であることを前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができる場合にも、提起することができる。

問題20 国家賠償法1条1項に基づく国家賠償責任

3 〇
公立学校における教職員の教育活動は、私立学校の教育活動と変わるところはないため、原則として、国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」に当たらない。

問題21 国家賠償法2条1項に基づく国家賠償責任

イ 〇
営造物の供用が第三者に対する関係において違法な権利侵害ないし法益侵害となり、当該営造物の設置・管理者が賠償義務を負うかどうかを判断するにあたっては、侵害行為の開始とその後の継続の経過および状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無およびその内容、効果等の事情も含めた諸要素の総合的な考察によりこれを決すべきである。

ウ 〇
道路等の施設の周辺住民から供用の差止めが求められた場合に差止請求を認容すべき違法性があるかどうかを判断するにあたって考慮すべき要素は、周辺住民から損害の賠償が求められた場合に賠償請求を認容すべき違法性があるかどうかを判断するにあたって考慮すべき要素とほぼ共通するが、双方の場合の違法性の有無の判断に差異が生じることがあっても不合理とはいえない。

問題22
 A市議会においては、屋外での受動喫煙を防ぐために、繁華街での路上喫煙を禁止し、違反者に罰金もしくは過料のいずれかを科することを定める条例を制定しようとしている。

3 〇
この条例で過料を定める場合についてはその上限が地方自治法によって制限されている。

4 ×
地方自治法の定める上限の範囲内であれば、この条例によらず、A市長の定める規則で罰金を定めることもできる。

問題23 住民監査請求および住民訴訟

5 〇
違法に公金の賦課や徴収を怠る事実に関し、住民が住民監査請求をした場合において、それに対する監査委員の監査の結果または勧告に不服があるとき、当該住民は、地方自治法に定められた出訴期間内に住民訴訟を提起することができる。

問題24 都道府県の事務にかかる地方自治法の規定

1 〇
都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部について、条例の定めるところにより、市町村が処理するものとすることができるとされている。

5 ×
都道府県は、その自治事務について、独自の条例によって、法律が定める処分の基準に上乗せした基準を定めることができるとされている。

問題25 国家行政組織法の条文

第1条 この法律は、内閣の統轄の下における行政機関で〔 ア 〕及びデジタル庁以外のもの((以下「国の行政機関」という。)の組織の基準を定め、もって国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする

第3条第1項 国の行政機関の組織は、この法律でこれを定めるものとする。
同第2項 行政組織のために置かれる国の行政機関は、省、〔 イ 〕及び庁とし、その設置及び廃止は、別に〔 ウ 〕の定めるところによる。
同第3項 省は、内閣の統轄の下にある第5条第1項の規定により各省大臣の〔 エ 〕する行政事務及び同条第2項の規定により当該大臣が掌理する行政事務をつかさどる機関として置かれるものとし、〔 イ 〕及び庁は、省に、その外局として置かれるものとする。

第5条1項 各省の長は、それぞれ各省大臣とし、内閣法にいう主任の大臣として、それぞれ行政事務を〔 エ 〕する。
同第2項 各省大臣は、前項の規定により行政事務を〔 エ 〕するほか、それぞれ、その〔 エ 〕する行政事務に係る各省の任務に関連する特定の内閣の重要政策について、当該重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務を掌理する。
同第3項 各省大臣は、国務大臣のうちから、〔 オ 〕が命ずる。(以下略)

〔 ア 〕内閣府
〔 イ 〕委員会
〔 ウ 〕法律
〔 エ 〕分担管理
〔 オ 〕内閣総理大臣

問題26 国籍と住民としての地位

3 〇
公の施設の利用関係については、日本国籍を有しない住民についても、不当な差別的な取り扱いをしてはならない。

問題27 虚偽表示の無効を対抗できない善意の第三者

1 ×
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bは当該土地上に建物を建築し、これを善意のCに賃貸した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

2 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bが当該土地を悪意のCに譲渡し、さらにCが善意のDに譲渡した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をDに対抗できない。

3 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bは善意の債権者Cのために当該土地に抵当権を設定した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

4 〇
AはBと通謀してA所有の土地をBに仮装譲渡したところ、Bの債権者である善意のCが、当該土地に対して差押えを行った。この場合、Aは、虚偽表示の無効をCに対抗できない。

5 〇
AはBと通謀してAのCに対する指名債権をBに仮装譲渡したところ、Bは当該債権を善意のDに譲渡した。この場合、Aは、虚偽表示の無効をDに対抗できない。

指名債権とは、債権者が特定しており、債権の発生や行使に書面を必要としないものをいう。通常、契約等で成立する債権は、この指名債権にあたる。これに対して、債権の成立や行使に証券が必要となるものとして、指図債権、無記名債権がある。指図債権は、証券に指定された者、又はその者に指図された者に弁済がなされる債権で、小切手や手形がこれにあたる。無記名債権は、証券面に特定の権利者名はなく、証券の正当な所持人に弁済がなされる。商品券や、劇場入場券がこれにあたる。

AI による概要
指名債権(しめいさいけん)とは、債権者が特定されている通常の債権のことで、売主が買主に持つ売掛金債権や、家主が借家人に持つ家賃債権などが該当し、債権の発生や譲渡には証券(書面)が不要なのが特徴です。これは、特定の所持人が権利を行使できる無記名債権(商品券など)や、証券上の指図で権利を行使する指図債権(手形・小切手など)と区別される概念で、民法では指名債権の譲渡について詳細な規定が置かれていますが、2020年の民法改正で「指名債権」という呼称は「債権」に統一され、証券的債権の規定は廃止されました。

問題28 占有権

1 ×
Aが所有する動産甲(以下「甲」という。)の保管をAから委ねられ占有しているBが、甲を自己の物と称してCに売却した場合、甲に対するCの即時取得の成立要件について、占有開始におけるCの平穏、公然、善意および無過失は推定される。

2 〇
Aが所有する乙土地をBが20年以上にわって占有し、所有権の取得時効の成否が問われる場合、Aが、Bによる乙の占有が他主占有権原に基づくものであることを証明しない限り、Bについての他主占有事情が証明されても、Bの所有の意思が認められる。

3 〇
Aが所有する丙土地を無権利者であるBがCに売却し、Cが所有権を取得したものと信じて丙の占有を開始した場合、Aから本権の訴えがないときは、Cは、丙を耕作することによって得た収穫物を取得することができる。

4 〇
Aが所有する動産丁を保管することをBに寄託し、これに基づいてBが丁を占有していたところ、丁をCに盗取された場合、Bは、占有回収の訴えにより、Cに対して丁の返還を請求することができる。

5 〇
Aが所有する動産戊を保管することをBに寄託し、これをBに引き渡した後、Aは戊をCに譲渡した場合、Aが、Bに対して以後Cの所有物として戊を占有するよう指示し、Cが、これを承諾したときは、戊についてAからCへの引渡しが認められる。

盗取(とうしゅ)

戊(ぼ)

「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」は十干(じっかん)と呼ばれる、古代中国から伝わる10種類の記号

甲 こう
乙 おつ
丙 へい
丁 てい
戊 ぼ
己 き
庚 こう
辛 しん
壬 じん
癸 き

問題29
 機械部品の製造販売を行うAは、材料供給者Bと継続的取引関係を結ぶにあたり、A所有の甲土地に、極度額5,000万円、被担保債権の範囲を「BのAに対する材料供給にかかる継続的取引関係から生じる債権」とする第1順位の根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)をBのために設定してその旨を登記した。その後、AはCから事業資金の融資を受け、その債務の担保として甲土地に第2順位の普通抵当権をCのために設定した。

1 〇
本件根抵当権について元本確定期日が定められていない場合、Aは、根抵当権の設定から3年が経過したときは元本確定を請求することができ、Bは、いつでも元本確定を請求することができる。

2 〇
本件根抵当権について元本確定前に被担保債権の範囲を変更する場合、Cの承諾は不要であるが、その変更について元本確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなす。

3 〇
本件根抵当権について元本が確定した後、当該確定した元本の額が極度額に満たない場合には、Aは、Bに対して、極度額を法の定める額に減額することを請求することができる。

5 〇
本件根抵当権について元本が確定する前に、BがAに対して有する材料供給にかかる債権の一部をDに譲渡した場合、当該債権譲渡の対抗要件を具備していても、Dは、当該譲渡された債権について根抵当権を行使することはできない。

問題30 
 Aは、BにCから贈与を受けた動産甲を売却する旨の契約(以下「本件契約」という。)をBと締結したが、引渡し期日が過ぎても動産甲の引渡しは行われていない。

3 ×
動産甲の引渡しについて、Aが履行補助者であるDを用いた場合、Dの過失により甲が滅失して引渡しができないときには、Aに当然に債務不履行責任が認められる。

5 〇
Aが本件契約に基づき動産甲をBのもとに持参して引き渡そうとしたが、Bがその受領を拒んだ場合、その後にA・B双方の責めに帰すことができない事由によって甲が滅失したときは、Bは、本件契約の解除をすることも、Aから代金支払請求を拒絶することもできない。

AI による概要
履行補助者(りこうほじょしゃ)とは、債務者が契約上の義務を果たす(履行する)際に、その手足となって補助する第三者を指し、債務者(例:会社)が使用する従業員や下請け業者などが該当します。履行補助者の故意や過失によって債務不履行が発生した場合、債務者自身がその責任を負うというのが「履行補助者の理論」として確立されており、これは債務不履行責任の重要な考え方です。

問題31 債務不履行を理由とする契約の解除

5 〇
売買契約において、買主が代金の一部の支払を遅延した場合、売主が相当の期間を定めてその支払の催告をし、その期間内に買主が代金を完済しなかったとしても、その時点における代金額の不足が軽微であるときは、売主の売買契約の解除が制限されることがある。

問題32
 Aは、Bとの間でA所有の甲建物の賃貸借契約を締結し、甲建物を引渡したが、その後、Aは、同建物をCに譲渡した。Aは、同賃貸借契約締結時にBから敷金を提供され、それを受け取っていた。

1 〇
甲建物についてのAのBに対する賃貸人たる地位は、Bの承諾を要しないで、AとCとの合意により、Cに移転させることができる

2 〇
甲建物の譲渡によるCへの賃貸人たる地位の移転は、甲建物についてAからCへの所有権移転登記をしなければ、Bに対抗することができない。

3 〇
AとCが甲建物の賃貸人たる地位をAに留保する旨の合意および甲建物をCがAに賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位はCに移転しない。

4 ×
賃貸人たる地位がCに移転した場合、Bは、Cの承諾を得なければ、甲建物の賃借権を譲り渡すことはできないが、甲建物を転貸するときは、Cの承諾を要しない。

5 〇
賃貸人たる地位がCに移転した場合、敷金の返還に係る債務はCに承継され、CがBに対し、その債務を負う。

問題33 法定利率

1 〇
利息付金銭消費貸借契約において、利息について利率の定めがなかったときは、利息の利率は借主が金銭を受け取った日の法定利率による。

2 ×

3 〇
利息付金銭消費貸借契約において、利息について利率の定めがあったが遅延損害の額の定めがなかった場合に、当該利息の約定利率が法定利率より低かったときは、遅延損害の額は法定利率によって定める。

4 〇
不法行為に基づく損害賠償において、遅延損害金は、原則として不法行為時の法定利率によって定める。

5 〇
将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点における法定利率により、これをする。

問題34 不法行為

4 ×
路上でナイフを振り回して襲ってき暴漢から自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ者には、緊急避難が成立する。

5 〇
路上でナイフを持った暴漢に襲われた者が自己の身を守るために他人の土地の家の窓を割って逃げ込んだ場合、窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。

民法

(正当防衛及び緊急避難)

第七百二十条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。

2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

AI による概要
民法における緊急避難(民法720条2項)とは、他人の物から生じた「急迫の危険」を避けるため、やむを得ずその物を損壊した場合に、損害賠償責任を負わないという制度です。例えば、凶暴な犬に襲われそうになり、逃げるために他人の家の窓を割って避難した場合など、刑法上の緊急避難(刑法37条)とは異なり、不法行為責任(損害賠償)が免除される点がポイントで、ただし損害賠償の請求を妨げない(受益者が損害を負担する)場合もあります。

問題35 相続

1 〇
系譜、祭具及び墳墓の所有権は、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときを除き、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。

問題36 営業譲渡
 営業譲渡に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、営業を譲渡した商人を甲、営業を譲り受けた商人を乙とし、甲および乙は小商人ではないものとする。

2 ×
乙が甲の商号を引き続き使用する場合には、乙は、甲の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。ただし、営業譲渡後、遅滞なく、乙が第三者である丙に対して、甲の債務を弁済する責任を負わない旨の通知をした場合には、乙は、丙に対して弁済責任を負わない。

5 〇
甲および乙が、乙に承継されない債務の債権者(残存債権者)である丙を害することを知りながら、無償で営業を譲渡した場合には、丙は、乙に対して、甲から承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

AI による概要
小商人(こしょうにん)とは、商法で定められた「営業のために使用する財産の価額が50万円を超えない商人」のことです。通常の商人(完全商人)に適用される商業登記、商号登記、商業帳簿作成義務など、商法の特定の規定が適用除外され、手続きが簡略化されるのが特徴です。

AI による概要
残存債権者とは、主に会社分割や事業譲渡の際に、承継会社(新会社)に引き継がれない債務を持つ債権者のことで、会社が債権者を害する目的で行った場合に、承継会社に対して債務の履行を請求できる権利を持つ特別な立場の人を指します(会社法23条の2など)。通常の会社分割では債権者保護が手薄になりがちなため、平成26年の法改正で保護規定が設けられましたが、知った時から2年以内などの時効・除斥期間があります。

問題37 株式会社の設立における発行可能株式総数の定め等

ア 〇
発起設立において、発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、発起人は、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

イ ×
発起設立においては、発行可能株式総数を定款で定めている場合であっても、発起人は、株式会社の成立の時までに、その過半数の同意によって、発行可能株式総数についての定款を変更することができる。

ウ ×
募集設立において、発行可能株式総数を定款で定めていない場合には、発起人は、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

エ 〇
募集設立においては、発行可能株式総数を定款で定めている場合であっても、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、発行可能株式総数についての定款を変更することができる。

オ 〇
設立時発行株式の総数は、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合を除いて、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。

問題38 特別支配株主の株式売渡請求

1 〇
特別支配株主は、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社の他の株主(当該対象会社を除く。)の全員に対し、その有する当該対象会社の株式の全部を当該特別支配株主に売り渡すことを請求することができる。

2 ×
株式売渡請求をしようとする特別支配株主は、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社に対し、株式売渡請求をする旨および対価として交付する金銭の額や売渡株式を取得する日等の一定の事項について通知し、当該対象会社の株主総会の承認を受けなければならない。

3 〇
株式売渡請求をした特別支配株主は、株式売渡請求において定めた取得日に、株式売渡請求に係る株式を発行している対象会社の株主が有する売渡株式の全部を取得する。

4 〇
売渡株主は、株式売渡請求が法令に違反する場合であって、売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、特別支配株主に対し、売渡株式の全部の取得をやめることを請求することができる。

5 〇
株式売渡請求において定めた取得日において公開会社の売渡株主であった者は、当該取得日から6か月以内に、訴えをもってのみ当該株式売渡請求に係る売渡株式の全部の取得の無効を主張することができる。

問題39 公開会社における株主総会
 定款に別段の定めはなく、かつ、株主総会の目的である事項の全部または一部について議決権を有しない株主はいないものとする。

1 〇
総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項および招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができる。

2 〇
総株主の議決権の100分の1以上の議決権または300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間前までに、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。

3 〇
株主は、株主総会において、当該株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。ただし、当該議案が法令もしくは定款に違反する場合または実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合は、この限りでない。

5 〇
取締役、会計参与、監査役および執行役は、株主総会において、株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が株主総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由があるとして法務省令で定める場合は、この限りでない。

AI による概要
議決権を有しない株主とは、無議決権株式(配当や残余財産分配で優遇されるが議決権がない種類株式)の保有者や、単元未満株式の保有者、自己株式(会社が自ら保有する株)、相互保有株式(持ち合い株)などで、株主総会で議決権を行使できない株主を指します。これは、経営への関与を望まない投資家向けや、会社の支配権維持、資本の空洞化防止などの目的で利用されます。

問題40 会計参与

ウ 〇
会計参与は、株主総会の決議によって選任する。

エ 〇
会計参与は、公認会計士もしくは監査法人または税理士もしくは税理士法人でなければならない。

オ ×
会計参与は、すべての取締役会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

問題41
 〔 ア 〕の争訟は、①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ、②それが法令の適用により終局的に解決することができるものに限られるとする当審の判例
(引用略)に照らし、地方議会議員に対する出席停止の懲罰の取消しを求める訴えが、①②の要件を満たす以上、〔 ア 〕の争訟に当たることは明らかであると思われる。
 〔 ア 〕の争訟については、憲法32条により国民に裁判を受ける権利が保障されており、また、〔 ア 〕の争訟について裁判を行うことは、憲法76条1項により司法権に課せられた義務であるから、本来、司法権を行使しないことは許されないはずであり、司法権に対する〔 イ 〕制約があるとして司法審査の対象外とするのは、かかる例外を正当化する〔 ウ 〕の根拠がある場合に厳格に限定される必要がある。
 国会については、国権の最高機関(憲法41条)としての〔 エ 〕を憲法が尊重していることは明確であり、憲法自身が議員の資格争訟の裁判権を議院に付与し(憲法55条)、議員が議院で行った演説、討論又は表決についての院外での免責規定を設けている(51条)。しかし、地方議会については、憲法55条や51条のような規定は設けておらず、憲法は、〔 エ 〕の点において、国会と地方議会を同視していないことは明らかである。(最大判令和2年11月25日民集74巻8号2229頁、宇賀克也裁判官補足意見)

〔 ア 〕〇法律上
〔 イ 〕〇外在的 ×必然的
〔 ウ 〕〇憲法上
〔 エ 〕〇自律性 ×独立性

日本国憲法

第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。

第四十一条 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。

第五十一条 両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われない。

第五十五条 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
第二項 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない。
第三項 すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。

問題42
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律(行政機関情報公開法)に基づき、行政機関の長に対して、当該行政機関が保有する〔 ア 〕の開示が請求された場合、当該行政機関の長は、当該〔 ア 〕の開示又は不開示の決定(開示決定等)をしなければならない。
 開示決定等は、行政手続法上の〔 イ 〕であるから、同法の定めによれば、当該行政機関の長は、不開示決定(部分開示決定を含む。)をする場合、原則として、開示請求者に対し、同時に当該決定の〔 ウ 〕を示さなければならない。
 開示決定等に不服がある者は、行政不服審査法に基づく審査請求をすることができる。審査請求に対する裁決すべき行政機関の長は、原則として、〔 エ 〕に諮問しなければならない(当該行政機関の長が会計検査院長である場合を除く)。〔 エ 〕は、必要があると認めるときは、諮問をした行政機関の長(諮問庁)に対し、〔 ア 〕の提示を求めることができ、諮問庁は、これを拒むことができない。この審査請求においては、処分庁は、当初に示された〔 ウ 〕と異なる〔 ウ 〕を主張することもできる。

〔 ア 〕〇行政文書 ×行政情報
〔 イ 〕〇申請に対する処分
〔 ウ 〕〇理由
〔 エ 〕〇情報公開・個人情報保護審査会 ×行政不服審査会

問題43
 国家補償制度は、国家賠償と損失補償によって構成されるが、両者のいずれによっても救済されない問題が存在する。公務員の〔 ア 〕の違法行為による被害は、国家賠償法の救済の対象とはならず、他方、憲法29条3項によって求められる損失補償は、〔 イ 〕以外の権利利益についての被害には及ばないと考えられるからである。この救済の空白地帯は「国家補償の谷間」と呼ばれている。
 「国家補償の谷間」の典型事例は予防接種による副反応被害である。この事例を損失補償により救済するアプローチは、〔 イ 〕よりも重要な利益である生命・身体の利益は、当然に憲法29条3項に規定する損失補償の対象とする〔 ウ 〕解釈によって救済を図ろうとする。
 これに対して、国家補償による救済のアプローチをとる場合、予防接種の性質上、予診を尽くしたとしても、接種を受けることが適切でないもの(禁忌者)を完全に見分けることが困難であり、医師による予診を初めとする公務員の行為は〔 ア 〕とされる可能性が残る。この点について、最高裁判所昭和51年9月30日判決は、予防接種により重篤な副反応が発生した場合に、担当医師がこうした結果を予見しえたのに、過誤により予見しなかったものと〔 エ 〕することで、実質的に、自らが〔 ア 〕であることの立証責任を国側に負わせることで救済を図った。

〔 ア 〕〇無過失
〔 イ 〕〇財産権
〔 ウ 〕〇勿論
〔 エ 〕〇推定 ×確定

日本国憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。
第二項 財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。
第三項 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。

問題44 記述式
 開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものあるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。
 このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
 建築基準法
  (違反建築物に対する措置)
 第9条 特定行政庁は、建築基準法例の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施行の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

正解例
B市を被告として重大な損害が生じるおそれがあると主張し、是正命令の義務付け訴訟を提起する。(45字

行政事件訴訟法
(抗告訴訟)
第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。
2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定孫田の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。
4 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。
5 この法律において「不作為の確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。
6 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。
 一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)
 二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。
7 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。 

(義務付けの訴えの要件等)
第三十七条の二 第三条第六項第一号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、一定の処分がされないことにより重大な生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。
2 裁判所は、前項に規定する重大な損害が生ずるか否かを判断するに当たっては、損害の回復の困難の程度を考慮するものとし、損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案するものとする。
3 第一項の義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分をすべき旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
4 前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する
5 義務付けの訴えが第一項及び第三項に規定する要件に該当する場合において、その義務付けの訴えに係る処分につき、行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超えもしくはその濫用となると認められるときは、裁判所は、行政庁がその処分をすべき旨を命ずる判決をする。

問題45 記述式
 Aが所有する甲不動産について、Aの配偶者であるBが、Aから何ら代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの代理人と称して甲不動産をCに売却する旨の本件売買契約を締結した後、Bば死亡してAが単独で相続するに至った。CがAに対して、売主として本件売買契約を履行するよう求めた場合に、Aは、これを拒みたいと考えているが、認められるか。民法の規定および判例に照らし、その許否につき理由を付して40字程度で記述しなさい。

正解例
無権代理人を相続した本人が無権代理行為の追認を拒絶しても信義則に反しないため、認められる。(44字)

問題46 記述式
 Aは工場を建設するため、Bから、Bが所有する甲土地(更地)を、賃貸借契約締結の日から賃借期間30年と定めて賃借した。ただし、甲土地の賃借権の登記は、現在に至るまでされていない。ところが、甲土地がBからAに引き渡される前に、甲土地に何らの権利も有しないCが、AおよびBに無断で、甲土地に塀を設置したため、Aは、甲土地に立ち入って工場の建設工事を開始することができなくなった。そこで、Aは、Bに対応を求めたが、Bは何らの対応もしないまま現在に至っている。Aが甲土地に工場の建設工事を開始するために、Aは、Cに対し、どのような請求をすることができるか。民法の規定および判例に照らし、40字程度で記述しなさい。

正解例1 Aは、Cに対し、

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、塀の撤去及び損害賠償を請求することができる。(44字)

正解例2 Aは、Cに対し、

Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、塀の撤去を請求することができる。(38字)

問題47 ロシア・旧ソ連の外交・軍事

5 〇
1980年代前半は新冷戦が進行したがソ連の最高指導者ゴルバチョフは新思考外交を展開し、1989年の米ソ両首脳のマルタ会談において、東西冷戦の終結が宣言された。

問題48 ヨーロッパの国際組織

ウ 〇
ヨーロッパにおける人権保障、民主主義、法の支配の実現を目的とした国際機関を欧州評議会(Council of Europe)という。

オ 〇
欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国が欧州連合(EU)に加盟せずにヨーロッパの市場に参入することができるよう作られた仕組みを欧州経済領域(EEA)という。

問題49 軍備縮小(軍縮)

ア 〇
コスタリカには軍隊を持たないことを憲法に明記し、フィリピンは非核政策を憲法に明記している。

イ 〇
対人地雷禁止条約* では、対人地雷の使用や開発が全面的に禁止されている。

オ 〇
中距離核戦力(INF)全廃条約は、アメリアとソ連との間に結ばれた条約で、2019年に失効した。

問題50 郵便局

イ 〇
郵便局は郵便葉書などの信書の送達を全国一般で行っているが、一般信書郵便事業について許可を受けた民間事業者はいない。

エ 〇
郵便局では、簡易郵便のほか、民間他社の保険も取り扱っている。

オ 〇
郵便局内にあるゆうちょ銀行の現金自動預払機(ATM)では、硬貨による預金の預入れ・引出しの際に手数料を徴収している。

問題51
 「国内総生産(GDP)」は、国の経済規模を表す指標である。GDPは一国内で一定期間に生産された付加価値の合計であり、その国の経済力を表す。それに対し、その国の人々の生活水準を知るためには、GDPの値を人口で割った「1人当たりGDP」が用いられる。
 2022年4月段階での国際通貨基金(IMF)の推計資料によれば、世界のなかでGDPの水準が高い上位6か国を上げると、〔 ア 〕〔 イ 〕〔 ウ 〕〔 エ 〕〔 オ 〕〔 カ 〕の順となる。ところが、これら6か国を「1人当たりGDP」の高い順に並びかえると、アメリカ、ドイツ、イギリス、日本、中国、インドの順となる。

〔 ア 〕〇アメリカ
〔 イ 〕〇中国
〔 ウ 〕〇日本    ×インド
〔 エ 〕〇ドイツ   ×日本
〔 オ 〕〇インド   ×ドイツ
〔 カ 〕〇イギリス

問題52 日本の森林・林業

ア 〇
日本の森林率は中国の森林率より高い。

イ ×
日本の森林には、国が所有する国有林と、それ以外の民有林があるが、国有林面積は森林面積全体の半分以上を占めている。

エ 〇
荒廃する森林の保全のための財源確保に向けて、新たに森林環境税が国税として導入されることが決まった。

問題53 アメリカ合衆国における平等と差別

1 〇
黒人差別に抗議する公民権運動において中心的な役割を担ったキング牧師は、1963年に20万人以上の支持者による「ワシントン大行進」を指導した。

3 〇
2020年にミネアポリスで黒人男性が警察官によって殺害された後、人種差別に対する抗議運動が各地で広がった。

4 〇
人種差別に基づくリンチを連邦法の憎悪犯罪とする反リンチ法が、2022年に成立した。

5 〇
2022年に、ケンタジ・ブラウン・ジャクソンは、黒人女性として初めて連邦最高裁判所判事に就任した。

問題54
 地球環境問題を解決するためには、国際的な協力体制が不可欠である。1971年には特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関して、〔 ア 〕が採択された。1972年に国連人間環境会議がスウェーデンのストックホルムで開催され、国際的に環境問題に取り組むための〔 イ 〕が決定された。しかし、石油危機後の世界経済の落ち込みにより、環境対策より経済政策が各国で優先され、解決に向けた歩みが進まなかった。
 それでも、1992年にブラジルのリオデジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、「持続可能な開発」をスローガンに掲げたリオ宣言が採択された。同時に、環境保全に向けての行動計画であるアジェンダ21、地球温暖化対策に関する〔 ウ 〕や、生物多様性条約なども採択された。その後、1997年の第3回〔 ウ 〕締約国会議(COP3)で〔 エ 〕が採択され、されに2015年の第21回〔 ウ 〕締約国会議(COP21)で〔 オ 〕が採択されるなど、取組が続けられている。

〔 ア 〕ラムサール条約
〔 イ 〕国連環境計画
〔 ウ 〕気候変動枠組条約
〔 エ 〕京都議定書
〔 オ 〕パリ協定

問題55 易問のため省略

問題56 情報通信

ア 〇
自らに関する情報が利用される際に、ユーザ本人の許可を事前に得ておくシステム上の手続を「オプトイン」という。

イ 〇
インターネット上で情報発信したりサービスを提供したりするための基盤を提供する事業者を「プラットフォーム事業者」という。

問題57 個人情報保護制度

4 ×
個人情報保護委員会は、内閣総理大臣に対して、地方公共団体への指揮監督権限の行使を求める意見を具申することができる。

5 〇
個人情報保護委員会は、認定個人情報保護団体に関する事務をつかさどる。

投稿者 Ren Yababa

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